闘え!介護職

介護施設での実体験、学んできた知識等を書いていきます。主に施設の介護職員向きです。現場での悩みや葛藤に対し色々な考え方や方法を提案するという形で闘っていきます。

介護技術

介護現場での食事介助の葛藤

介護施設、特に特養のような介護度が高い利用者を介助しているようなところは、 食事介助の悩みはつきものだと思います。 限られた時間・限られた職員数の中で、多くの利用者の介助を求められる。 でも認知症やADLの低下などでなかなか介助がすすまない。 泣…

介護現場での転倒事故にどう向き合うか

介護現場で起こりがちな「利用者の転倒事故」。 加齢や病気などで心身に変化がある人達であり、 たった一度の転倒で寝たきりになることも珍しくありません。 近年では利用者の転倒が元で裁判沙汰になるなど、 職員も常に気を張る必要があり、それがストレス…

介護施設における「生活の制限」について考える

今日は施設生活における「生活の制限」について考えてみたいと思います。 すぐに思い浮かぶのは食事の 塩分 糖分 水分 餅は食べさせない 外食や惣菜などは食べさせない でしょうか。 これについては言いたいことがあります。 それは、 「いちどそういう方針…

認知症がどんなものかをドラクエで例えてみる

私はゲームが好きです。 今回はドラクエと認知症を絡めて、認知症を解説してみたいと思います。 認知症対応のヒント、頭の整理になればなと思います。 認知症を「ステータス異常」と考える 認知症という「ステータス異常」にかかるとどうなるか ステータス異…

介助方法の分析と工夫で職員の介護負担が軽くなった話

我々は限られた時間と環境と人員の中で、 利用者に様々な場面で介助・支援に入っています。 そして利用者にも様々な人がおり、 体格が良すぎる人、 拘縮が強い人、 気難しい人、 悲観的になりやすい人など、 その人に合わせた対応を求められます。 時には、 …

認知症を持つ利用者の帰宅欲求について考える

在宅介護、施設介護問わず介護者を悩ませる 「帰宅欲求」 デイやショート、入所施設で 「帰りたい」 と落ち着かなくなったり、 家にいるのに 「家に帰る」 と玄関を出て行くなんていうケースもあります。 「ああ、大変だ!見てられない!!」 と思う前に、 …

介護現場で役立つスライドシートとスライディンググローブ

介護現場では、 体格のいい人や拘縮の強い人、全身脱力している人などもいて、 更にそういった人たちを全介助で移乗したりベッド上で身体の位置を直したりする必要が多くあります。 当然ながら職員の負担もあり、中には腰を痛めてしまうことも少なくありませ…

利用者の不適切な姿勢がもたらす弊害と生活場面に合わせた座位環境設定の必要性

利用者が離床して過ごす時、椅子や車椅子などで過ごすことがほとんどだと思います。 この時、「姿勢」を気にかけてるでしょうか? 不適切な姿勢、不適切な座位環境で長く過ごすと、様々な弊害を引き起こすばかりか、 拘縮や褥瘡の原因になることもあります。…

介護職は情報戦。いかにデータを集めて分析するか

「介護の仕事って肉体労働だと思いますか?」 こういう質問をすると、おそらくほとんどの人が、 「YES!YES!YES!」 って答えるかなと思います。 でも私はあえて、 「介護の仕事は頭を使う仕事(情報戦)である」 と主張したいです。 情報を集めて整理して分…

認知症を持つ利用者の行動分析及びコミュニケーションの一例

認知症をもつ人へのコミュニケーションの取り方は本当に難しいと思います。 進行度合い、その人その人の生活歴、習慣、性格… これらが混ざり合い、様々な症状 いわゆる「周辺症状(BPSD)」が起こります。 このBPSDが、介護者が感じるストレスの中で、多くの割…

看取りケアは生活の一部分にすぎない

介護の仕事、特に特養などの施設サービスでは、 利用者の死に関わることが多いと思います。 だんだん食事がとれなくなり、体力が落ち、臥床の時間が多くなり、反応も乏しくなり… 一説には、身体が死への準備をしている とも言われているそうです。 いわゆる…

利用者の入浴時間はきちんと話しあってルール化を

介護施設では、毎日多くの利用者の入浴があります。 時間に追われながら、事故を防ぐよう目配り気配りし、更に利用者に一定の満足感を得てもらう… (「そんなんできねーよっ!」て言いたくもなることありません?) なかなか大変だし、介護業務の中で上位に入…

根拠のないルールが蔓延ると介護の質が落ちる

介護施設(施設だけに限りませんが)では、 事業所や部署、ユニットやフロアで独自のルールがあると思います。 この多々あるルール、中には 「何でこういう決まりなの?」 というものも多く、理由もわからないままやらされていることもあると思います。 理由の…

介護業務で腰痛にならないために

減らない介護現場の腰痛 今日は介護現場に常につきまとう 腰痛、およびその予防 について書いていきます。 減らない介護現場の腰痛 腰痛、およびその予防 腰痛が起こりやすい場面 ①腰痛につながりやすい姿勢になる場面(日常生活編) ②腰痛につながりやすい姿…

移乗を振り返ってみる

介護現場では当然のように、 移乗をする場面があると思います。 食事やおやつ、そして入浴やレク等で、 1日片道5〜7回+排泄介助数くらいでしょうか。 それが移乗介助対象の利用者人数分だから、 それなりに時間もかかってくるかもしれません。 特に特養のよ…

ギャッジアップしたままで過ごす意味は?

介護現場にある、常時ベッドのギャッジアップ 施設などでは利用者が臥床している時、 「常時」ベッドの頭部を30〜40度ギャッジアップ これをしているケースを見かけます。 それも、ユニット単位、フロア単位で一律、 食事を食べている人も、経管栄養の人も一…

介助を「作業」にしてないか?

介護業務を行っていると、 どうしても時間に追われてしまいます。 事業所の環境にもよりますが、 もしかしたら現在の配置基準では限界なのかもしれません。 だからといって、 「この時間にこの介助をどうしてもしなくちゃいけない」 なんてことはないと思い…

認知症を「特別なもの」と捉えてる?

介護者を悩ませる 認知症。 進行度合いによっては、生活全般に介助が必要になります。 特に在宅で家族が介護しているような場合、その労力や心境等は簡単に語れるものではないでしょう。 施設は施設で、 異食 暴力 昼夜逆転からの施設内を歩き回る 他者の部…

相性が悪い利用者へどう対応していくか

利用者は様々な人がいます。(職員やネットでもそうだけど) なので中には、 どうしても相性が合わない… なんて人もいるかと思います。 こういうケースの場合、 職員からすれば介助に入るのが億劫だったり、 利用者からすれば、「合わない職員が来た」と、スト…

介護施設での餅提供の是非を考える

明けましておめでとうございます。 今年も宜しくお願いします。 さて、この時期になると必ずといっていいほど話題にのぼる、 介護施設での餅提供 ですが、 餅提供については賛否あると思います。 これについて私の意見を書きます。 詰まるなどの可能性に対し…

綺麗事だけでなく具体案を

介護系の発信者・講師の一部に、 介護職は 感動、感謝、喜び、やりがいを感じる素晴らしい仕事だ! と言う人がいたり、 利用者、特に認知症対応について、 心を通わせることが大事 想いがあれば相手に伝わる 利用者への愛があればわかってもらえる なんてい…

食事に手をつけない人の対応方法一例

食事介助で、 身体機能はさほど問題ないけど認知症を持ち、 配膳してもご飯を食べようとしない。 あの手この手でアプローチするけど、中々上手くいかない。 そしてしびれを切らして介助しようとするけど口を開けない… 結果として食事に時間がかかり、その後…

トイレを拒否しがちな人の誘導方法一例

「●●さん、トイレ行きませんか?」 「行かねーよ!」 …そして気づくと失禁。 というような経験、ありませんか? 特に認知症の人などに。 後処理もそうですが、 どうやったらトイレに行ってくれるか、 頭を悩ませますよね。 認知症の人を例にとり、私が行った…

排泄介助でお腹を押す?

排泄介助の際、 「お腹を押す」 もしくは、 「お腹押して!」 と言われた という経験はないでしょうか? 私は何度もあります。 この「お腹を押す」ついての見解です。 結論からいうと、 私は反対です。 たしかに、お腹を押して圧をかけることで排尿や排便が…

好きで身体拘束をしたいわけじゃない

身体拘束について先日テレビで放送されてましたね。 これについては様々な意見が出ているようです。 身体拘束については、原則禁止ですが、 緊急かつやむを得ない場合に限り、 「切迫性(利用者本人または他の利用者等の生命または身体が危険にさらされる可…

廊下(フロア)は走らない

フロアでの勤務や夜勤中に、 急に利用者が立ち上がった(歩いていた) センサーが鳴って利用者が起き上がろうとしていた というケースがあると思います。 この時、職員によっては、 「●●さーん!!」 「座ってー!」 と大声で叫んだり、その利用者のもとへ全力…

介護とケアマネの兼任時の注意点

施設ケアマネの中には、 介護職と兼任している場合もあります。 今日はそういった場合の注意点についてです。 専任の場合は、 その利用者を完全に客観的にみることができる反面、 利用者の細かい状態や状況は介護や看護に比べ把握しづらいです。 これを記録…

ケアプランはシンプルに

介護関係者なら、 ケアプラン を知らない人はいないと思います。 ケアプランがないと、 利用者が今どういう状態・状況で、 何に困っており、 どういう生活を送りたいのか、 そのためにどのような支援をしていけばいいのか等がわかりませんよね。 本来であれ…

夜中の排泄介助、するかしないか?

施設や病院勤務の方だと、 夜中に排泄介助、体位交換があると思います。 今日はその必要性の有無について思ったことを書きます。 結論から言うと、 そこまで無理してしなくてもいいのでは? です。 これだけだと誤解を招きかねないので解説します。 差は勿論…

機能訓練(リハビリ)の意味

今日は施設における 「リハビリ」 (機能訓練) について思うところを書きます。 介護施設で、 「リハビリ」 「できることは自分でするべきだ」 等という理由で、 時間がかかってすっかり冷めたりお粥が水っぽくなっても自分で食事を食べさせる 立てないひとを…