闘え!介護職

介護施設での実体験、学んできた知識等を書いていきます。主に施設の介護職員向きです。現場での悩みや葛藤に対し色々な考え方や方法を提案するという形で闘っていきます。

仕事に必要な道具はすぐ出せる所にないと介護サービスの質の低下を招く

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介護現場で働いていると、様々な道具が必要になります。

これらは、普段どこに置いてあるでしょう。

 

そんな、「道具」についての話です。

 

 

介護業務に必要な様々な道具とは?

普段介護業務で使う道具は、

福祉用具、オムツ類、リネン類、整容道具、掃除道具、事務用品あたりでしょうか。

 

これらの道具は、大抵どこか保管する場所にあり、そのつど取りにいくことが多いと思います。

 

ということは、いったん仕事の手を止め、持ち場を離れることになります。

 

 

道具を取りに行く手間とリスク

道具を取りに行く間、フロアが空くというリスク、取りにいく手間、仕事の手をとめる集中力の低下…

 

そんなリスクや手間を犯してまで、物品を取りに行く必要があるのか。

だったら後でいいか〜

 

という気持ちが生まれます。

 

 

道具を取りに行く手間を省いた結果、忘れられる利用者のケア

道具を取りに持ち場を離れなければならない場合、

「今手が離せないから後にしよう」

 

と、優先順位としては後回しになりがちです。

 

介護現場の場合、手が離せない状態が続く場合が多く、そのまま忘れられることも多いです。

あと、正直取りにいくのがめんどくさいです(笑)

 

 

道具を取りに行くのを渋った結果一例

道具を取りに行くのを渋った結果起こる弊害をいくつか紹介します。

 

①汚れたシーツがそのまま

部屋に入った時、シーツが汚れているのに気づく。

しかしシーツはリネン室にある。

今すぐ取りにいくのは難しい。

 

結果、

「後でやればいいか」

 

と思ってしまい、そのまま忘れてしまいます。

 

②ヒゲや目やにが取れていない

フロアで過ごす利用者をふと見ると、目やにだらけで、ヒゲも伸び放題。

 

タオルは近くにないし濡らす手間もある。

髭剃りは部屋に置いてある。

 

でも、取りにいくのが手間。

 

結果、

「後でやればいいか」

 

と思ってしまい、そのまま忘れてしまいます。

 

③爪が伸びたまま

同じくフロアで過ごす利用者。

ふと手を見ると、両手の爪が伸び放題。

 

でも爪切りは普段風呂場に置いてある。

 

取りに行くのは面倒だし、フロアが空になってしまう。

 

今じゃなくていい。後にしよう

 

と、そのまま忘れてしまいます。

 

④寝ぐせが直っていない

フロアの利用者を見ると、

 

寝癖が直ってなく、パンクロッカーみたいな頭になってる人が多数。

 

こんな感じ↓

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クシは部屋や風呂場に点在している。

 

取りに行くのは手間だし面倒。

 

今じゃなくていい。後にしよう

 

と、そのまま忘れてしまいます。

 

⑤床やテーブルが汚れたまま 

フロアのテーブルや床がいつも汚い。

 

掃除しようにも、掃除道具は汚物処理室に置いてある。

 

正直、取りにいくのは面倒。

 

まあ、後でいいか

 

と、そのまま忘れてしまいます。

 

⑥無理な移乗での腰痛リスク

体格の良い全介助の利用者。

リフトはあるが介護用品室にあるから持ってくるのが面倒。

 

結果、無理矢理人力での移乗を繰り返し、腰痛を起こす。

 

 

いつしか業務のやり残しが当たり前の光景になる

先ほど紹介したようなケースが続くと、

 

いつしか、それが当たり前の光景になります。

 

シーツは汚い。

利用者の爪や寝癖、目やにはそのまま。

フロアのテーブルや床は汚い。

無理な移乗での職員、利用者の負担や怪我のリスク

 

そしてそれは職員の感覚を麻痺させ、この光景に気づきもしなくなります。

 

そうなれば当然、直そうとも思わなくなります。

 

これはサービスの質の低下が一目でわかる光景になり、

よく上司や家族から指摘を受けるような状態ができあがります。

 

上司からも外部からも信用ガタ落ちです。

 

 

道具は取りに行きやすい場所に置こう

ハード面の関係上無理な場合もありますが、できれば、

「手の届くところ(自身の配属フロア)

に、道具を置くことをおすすめします。

 

例えば、

シーツを部屋に置く、ホウキをフロアに置く等。

 

手の届く所に物品を充実させることで、上記の懸念は解消されます。

 

気づいたらパッと対応できる。

 

それが仕事の意識の低下を防ぎ、サービスの質の維持にもつながります。

 

「掃除をきちんとしよう」

「整容をきちんとしよう」

「介護技術を磨こう」

 

などといくら話をしたところで効果は期待できないのです。

そういう問題じゃないんですから。

 

自分の持ち場に物品が充実していれば、気づいた時にすぐ対応できます。

 

道具が手元にあれば利用者への良いケアにもつながる

フロアにふきんやホウキ、チリトリを置いておけば、利用者にお願いすることもでき、利用者も

「私を必要としてくれている・皆の役に立てている」

という気持ちにさせることができ、それが生きがいにもつながります。

(ただし、当然のようにさせるのはダメですよ。スタッフが困っていて、利用者の助けが必要と思わせるよう「お願い」することが大事です)

 

もし利用者が手伝ってくれれば、職員の仕事も減り、利用者の能力を引き出すきっかけにもなります。

また、「こんなこともできるんだ」という新たな気づきにつながり、今度はそれをケアプランに盛り込むことでさらなる良いケアにつなげることができます。

 

何でもかんでも職員がする必要はないのです。

 

 

ブログ管理者の仕事道具紹介

私は仕事中はウエストバッグを常に身につけています。

 

中には、

筆記用具(傷の測定・メモ)、

爪切り、

ハサミ、

ゾンデ(爪と皮膚に隙間を作り、爪切りをしやすくする)、

圧抜きグローブとビニール袋(離床時・臥床時の圧抜きや姿勢直し)、

工具(車椅子の調整・各種家具のネジ直し)

などが入っています。

 

↓こんな感じです。(用務員さんってよく言われます)

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 気づいたらすぐに対応するためです。

 

 

「この施設、いつも利用者は汚い格好だし、建物の中も汚いな」

などと思われないように、アイデアの一つとして試してみてはいかがでしょうか。

 

特に大工用のウエストバッグ。

頑丈で機能的でマジでオススメです。

 

参考までにリンク貼っておきます。

⬇️購入はコチラ

 

姿勢直しに圧抜きグローブも。

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切りにくい要介護者のネイルケアにゾンデも。

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おわりに

 

手の届くところに道具があれば、気づいたらパッと対応できます。

 

結果としてサービスの維持向上につながり、事業所の信頼にもつながります。

 

たかが道具、されど道具です。

 

 

どんなに高性能なものがあっても、すぐ使える環境になければ誰も使わなくなるでしょう。