介護施設にはほぼ必ず認知症を持っている人がいると思います。
対応に苦慮する点として、
・ご飯食べてないと繰り返す
・ご飯を食べようとしない
・食品じゃないものを口にする
・排泄物を手に取る
・共有スペースで突然服を脱ぐ
・トイレでない場所で排泄する
・夜なのに朝だと言って起きてくる
・帰りたいと繰り返し落ち着かない
等。
こういった事例、いくつか経験がある人も多いのではないでしょうか。
正直「もう勘弁して!」て思いますよね。
人間相手なので「こうすればすぐに落ち着く」といったものもありません。
ここに他の人のコール対応、日課に沿った業務、記録などが重なりストレスになる人も多いと思います。
それはいつしか「めんどくさい」「苦手意識」につながり、ケアの質の低下を招きかねません。
かといって
「マイナス感情を持たず全部受け止めなきゃならないんだ!」
と、真面目すぎても、バーンアウトにつながりかねません。
私が提案する対策はこうです。
対応…というより、自身のストレス緩和のための方法ですが。
まず、認知症の人にとっては、我々からみたらありえないような光景でも、
「その人にとっては真実」
なのです。
例をあげます。自分におきかえて考えてみてください。
・現在の時刻(このブログを書いている時間)は朝の8時です。ここで急に知らない人から
「まだ夜中ですよ。寝てください」
とあなたに言われたらどう思いますか?
おそらく、
「何言ってるんだ?まだ朝なのに。」
と、思うのではないでしょうか。
まさか自分の認知機能に支障が出ているとは思ってもみないでしょう。
そう考えると「深夜徘徊」と言われる行動も、本人にとっては理にかなった行動なのです。
(実際にされると大変ですが…)
もうひとつ例を出します。
・同じく現在朝8時。あなたは起きたばかりでお腹も空いています。ご飯はどこにあるか気になります。
ここで急に知らない人から、
「さっき食べましたよ」
と言われたらどうでしょう。
「何言ってるんだ!バカにしてるのか!」
と、空腹なのもあり怒り出すかもしれません。
記憶の保持ができず、実はもう食事はとっくに終わっていたなんてまず考えないと思います。
そもそも、「ご飯まだか?」と聞いてくる時点で食事をしたことを忘れています。
それなのに「さっき食べた」では納得はしなくて当たり前です。
納得したとしても、
「食べてないけど言い争いになりたくないからここは私が我慢すればいい」
と、諦めている可能性が非常に高いです。
「思い出した」「わかってくれた」
とは思わない方がいいです。
仮にこれが気の弱い人であれば
「私ぼけちゃったんだ…」
と、意欲低下、鬱症状が現れる可能性もあります。
はじめに書いた各事例を真正面から受け止めるとストレス(特に精神面)につながるので、
「この人の言っていることは(この人のなかでは)本当の事なんだ)
と思えるようになると、気持ちがだいぶ楽になります。受け流すような感覚でしょうか。
なので、話に合わせた方が自身のダメージは少なかったりします。
試してみてください。