介護業界はだいたいどこも人手不足が深刻だと思います。
配置基準や収支の仕組みなどで、なかなか簡単に人を増やすこともできません。
「人を増やしてほしい。給料も上げてほしい」
は難しいのです。
ここで、「人数」について考えてみてください。
例を出します。
あなたは会社(お店でもいいです)の経営者です。
自分の会社、お店で職員不足の話が出てきたとき、まずどうしますか?
話を鵜呑みにして、とりあえず何人か適当に募集する…ということはないのではないでしょうか?
職員が増えれば人件費がかかりますよね。
「物がありません」「人がいません」という訴えだけで適当に補充していると、経営として成り立ちません。
「どういった目的で」
「どの部署に」
「どの時間帯で」
「どのくらいの人数が必要で」
「人数をいれたらどのくらいの業績が見込めるか」
等を調べるのではないでしょうか。
なので、
ただ、「人がいない」と訴えるより、上記の内容を調べた上で然るべき場で提案すれば、
「じゃあ、パートさんを2人、お風呂と夕食の時間帯で募集しようか」
となり、入職した職員の役割、動きまで明確になるわけです。
そうでないと、「ただ楽をしたいだけじゃないか?」と思われがちです。
それともう一つ注意点があります。
配置箇所や時間帯などが明確にならない
「中途半端な増員」
では、施設全体の仕事の能率は下がります。
「誰かがやってくれる」
「今日はいつもより人がいるから楽だ」
等と、気の緩みがでてしまいます。
結果、10の仕事が20になる目的で雇ったとしても、10の仕事が8くらいになってしまうことになります。
ただでさえ資金も十分とはいえない業界なのに、
そんなことになれば会社にとってマイナスでしかないですね。
そういった前例ができてしまうとますます経営側は人を入れようとはしないでしょう。
単純に、「業務を回す」ことだけを考えれば、ギリギリの人数で少数精鋭にすれば、回りやすいです。
ただしそれは今いる職員の頑張りによるものなので、心身の負担は大きくなります。
ドラクエでいう「マダンテ(MP全消費魔法)」を使い続けてるようなものです。
そこにあぐらをかいて、
「回るんだったらいいよね」
なんて言ってしまうと職員は疲弊しきってしまい、体調を崩す、退職する、悪い評判が流れるなどの流れになってしまいます。
管理職の方、注意してくださいね。
はじめに書きましたが、時間も人も有限で、人数は簡単には増やせません。
現場側からも、どこかで工夫しないといけないでしょう。
一例ですが…
・物の位置を見直したり、記録は可能なものはチェック表にする等、普段から業務を精査し、効率化をはかり続ける。
・人数が減った想定で今の業務がある程度回るまで慣れる。
(普段より一人少ない時用の業務マニュアルを作っておく)
・慣れたところで減った想定の人数を元に戻す。
こうすることで
「あれ、いつもより仕事がしやすい」
と、知らず知らずのうちにスムーズに業務を行えるようになっているのではないでしょうか。
それは、少な目の人数なので、工夫する案が浮かびやすくなるからともいわれています。
「窮鼠猫を噛む」に似た感じといえるでしょうか。
気持ちに余裕も生まれるでしょう。
ただし、何度も同じことを行なっていると疲弊するので、スマブラでいう
最後の切り札
にするといいでしょう。
勤めている従業員としては、会社の利益(事業所が継続できる収益)も考えないとなりません。
上記の例を行なってもなお業務や職員の心身状態に支障が出るレベルの人出不足であれば、増員も提案しやすいのではないでしょうか。