今日は介護現場における
平等について
書いてみたいと思います。
皆さんは
「平等」
についてどういうイメージですか?
全員同じ対応をすることでしょうか?
それとも、
個別に必要な対応を行なっていくことでしょうか?
というのも、今まで経験してきたことや見聞きしたことで、こういった事例が多かったのです。
〜外食について〜
A「●●さん、外に食事に行きたいって。」
B「え。でも●●さんだけズルくない?皆が同じ事言ったら対応できないよ。特別扱いできないから断ろう。」
〜入浴について〜
A「●●さん、もっと長く湯船につかりたいって。」
B「ダメだよ。皆が同じこと言ったら風呂終わらないよ。●●さんだけ特別扱いできないよ。」
〜おやつについて〜
A「●●さん、おやつ買って食べたいって。」
B「ダメダメ。他の人が欲しがるし皆が同じこと言ったらどうするの?」
〜排泄編〜
A「●●さんから、毎日2回お尻を洗って欲しいって。」
B「できないよ。皆が同じこと言ったらどうする?この人だけ特別扱いできないよ。」
〜コミュニケーション編〜
B「●●さん(こだわりが強め)に優しくしないで。話は適当に切って。ただのワガママだから。」
A「痛いとか痒いとか、全部まっとうな理由じゃない?」
B「じゃあ他の人が皆同じこと言ったらどうするの?対応できないじゃない。」
こんなところでしょうか。
どれにも共通してるのが、
「他の人が皆同じこと言ったらどうするの?」
というものです。
一見、もっともだと思うかもしれませんが、
そもそも、
- 全員が全員同じニーズとは限らない
- 人によって状態が違うので、支援する部分や量は違う
- 他の人(特に意向確認が難しい人)のニーズを把握しての発言なのか
ここです。
大体、「皆が皆〜」と言ってくる、思ってる人は、
比較的こだわりが強い人に対しての対応時間が多いことが嫌で、
それをしたくないがために他の人
(コミュニケーションが困難な人や寝たきりの人など)
を引き合いに出していることが多いです。(経験上ですが)
それを裏付けるように、
認知症対応など、時間がかかるような人やターミナルの人などに同じくらいの時間をかけても何も言ってきません。
何基準なんでしょうね?
その人に合った対応をしていくことが平等であり個別ケアです。
かかる時間も当然違います。
みんながみんな同じ時間に同じ要望を出すのでしょうか?
特別扱いと個別ケアは違うし、
全員同じケアを同じ時間に同じだけかけることが平等じゃありません。
人員や環境面などから利用者の希望の全てを対応するのが難しいことももちろんわかります。
が、
なぜ、利用者はそれを希望するのか?
を、話せる人は話を聞きながらその理由を探り、話せない人は家族や生活歴などから可能な限り読み取り、今の戦力で対応できるものを行なっていく。
感情で動かず、その部分をじっくり考えてから動いていきたいものです。