介護施設において、利用者から
- 物が無くなった
- お金がなくなった
という訴えがあったらどうしますか?
というのも、先日とある記事で、
利用者の私物が無くなったという訴えがあり、
その訴えをそのまま鵜呑みにして、たまたまその日の担当だった職員を犯人扱いして解雇したという内容がありました。
事実かどうかはわからなくても、そのお金が出てこない限り訴えは続くし、施設への不信感は残り続けるでしょう。
だったら、適当な理由をつけて職員を悪としてしまえば、とりあえずの面目は保てるかもしれません。
ある程度しっかりしている利用者であれば自分でお金を管理している人もいるし、毎日毎日残金チェックを職員がしているケースも多くないでしょうから、なおさら職員を責めやすいです。
「訴えを傾聴して一緒に探しましょう」
なんてうたっているくせにです。
職員としては迷惑でしかありません。
「あの人、利用者のお金(物)とったらしいよ」
と噂もたつため、その人の社会的信用も落とされるなど、影響も大きいです。
事実かどうかもわからない理由で処分されてはたまったもんじゃないです。
介護の担い手もいなくなります。
ここで、お金や物がなくなった場合の利用者の心理状況を簡単に分析してみましょう。
無くなる…
→(自分は無くしたことがわからない・残金を把握していない・無くなったと思い込んでいる等)
→お金を使ってもいないし外に持ち出してもいない
→自分は無くしてない
→よく部屋にくる職員がやったとしか思えない。その人しか部屋に来ていないから。
…簡単にまとめるとこのように思うことが多いです。
その人の性格や認知症の有無などで相手の捉え方も異なるため、本当に対応が大変です。
攻撃的になったり、意欲低下になったり…
全パターンを網羅できるようなマニュアル作りは恐らく不可能でしょう。
かといって、
「ウチは知りません!あなたの勘違いです!」
で終わらせるのもどうかと思います。
利用者をあまり傷つけず、事業所や職員を守るためには、
- 日々の記録やチェック表
- 事業所での貴重品は事務所等に預けるか原則持ち込み不可
- 無くなったという訴えがあった際は、本人の周囲や居室、行動半径をくまなく探す。本人からの聞き取りをしっかり行い、それらの記録を残す
でしょうか。
これも個人的にはベストとは思えませんが、現時点ではベターな対応なのかなと思います。
いちばんやってはダメなものが、
- 利用者の訴えを鵜呑みにして、職員を一方的に責める
- 訴えのみで判断して弁償する
です。
事実確認がはっきりしていないのに、こういった対応をとってしまうと、
事業所の過失を認めたと判断されかねません。
特に上司や管理者の方、注意してください。
利用者の訴えと同じくらい、職員の話も聞いてあげてください。