減らない介護現場の腰痛
今日は介護現場に常につきまとう
腰痛、およびその予防
について書いていきます。
介護現場において腰痛は職業病ともいえるくらい頻発します。
私の周りでも、腰痛に悩む職員は多く、中にはそのせいで仕事が満足にできず、治療のために現場を長い間離れたり、
それでも完治せずに退職せざるを得なくなった職員も少なくありません。
今回は腰痛をできる限り防ぐ方法、立ち回りを自分の経験も踏まえて書いていきます。
ちなみに私は介護現場に16年ほどいますが、仕事中に腰を痛めたことは一度もありません^_^
腰痛が起こりやすい場面
腰痛を防ぐためには、仕事中だけ気をつけていればいいというわけではありません。
普段の生活の中でなるべく
前かがみ姿勢にならないこと、
腰をひねらないこと
これが大切です。
腰を落とさない前屈み姿勢は、腰にかなりの負担がきます。
①腰痛につながりやすい姿勢になる場面(日常生活編)
自身の生活を振り返ってみてください。
- 顔を洗う時
- 洗い物をする時
- 洗濯をする時
- 掃除をする時
- 床の物を拾う時
などなど…
前屈み姿勢になる場面て意外とたくさんあるんじゃないでしょうか。
こういった前屈み姿勢をとる習慣の繰り返しが、徐々に体を蝕んでくるのです。
②腰痛につながりやすい姿勢になる場面(介護現場編)
自身の仕事の仕方を振り返ってみてください。
- 無理な移乗(立てない人を無理矢理一人で抱えるなど)
- 無理なベッド上での体位交換
- ベッド高さを調節せず、柵も外さないままオムツ交換
- 相手の後ろから覗きこむような姿勢での口腔ケア(体を捻ってる状態)
- 立ったまま食事介助
このような介助が続いてないでしょうか。
やってみてわかると思いますが、腰に違和感を感じると思います。
これが続くとある日「移乗中にギックリ腰に」なんていうことも考えられます。
(私の同僚でいました。)
腰痛を防ぐためにできること
こういったコルセットなどの使用もいいですが、
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やはり、「腰痛を予防する」ことができるのがいちばんいいと思います。
前述したこれらの行動を続ければ腰を痛めやすいので、
つまりはこういった行動をとらないようにするだけで、腰を壊す可能性を減らすことができます。
日常生活であれば、
- 顔を洗ったり洗い物をする時は片足を台に乗せる
- 物を拾う時はしゃがむ
介護現場であれば
- 移乗は福祉用具、可能ならスーパートランス等
- 体位交換やオムツ交換時はベッドの高さを調節して介助バーを必ず外し、ベッドに腰をおろしたり膝を立てたりして介助に入る
- ベッド上での移動は力任せに引きずらないで、スライドシートやビニール袋等を活用する
- 口腔ケアは向かい合って行う
- 食事介助は座って行う(これは利用者も食べやすい顔の角度にする意味もあります)
などです。
なぜ腰を痛めるような無理な介助になりやすいのか
介護現場で腰を痛めるような無理な介助が横行しているのは
やはり、人員・時間不足がいちばんの理由に思えます。
腰を痛めないように環境を整える時間がない。
二人介助レベルなのに人がいないから一人で何とか移乗するしかない。
しかもそんな利用者が他にも何人もいる…
心当たりのある方、多いんじゃないでしょうか。
しかし、だからといって、
数十秒の効率化のために無理な介助を続け、
腰を痛めては数十秒以上の損失です。
ひどい場合は長期療養の末に退職なんていうこともあります。
ここは事業所全体が腰痛を防ぐという信念をもって取り組んでいく必要があると思います。
特に時間がないと人を急かすような雰囲気になっている場合、早急に手を打つ必要があります。
どこかで無理をしている可能性が高いです。
技術や経験の浅さと腰痛の起こりやすさは関係ない
不幸にして腰を痛めてしまった人に対して、
「介護技術が未熟だから」
「経験が浅いから」
などと言う人がたまにいますが、
そんなことはないです。
経験が浅くて腰を痛めるなら、新人は皆すぐに腰を痛めているでしょう。
むしろ、経験の長い職員の方が腰を痛めていることの方が多いです。
しかも慢性的に。
それは、経験が長いということは、先程書いた
前かがみ姿勢
で過ごす期間がそれだけ長いからではないでしょうか。
変にマウントをとって追い詰めるようなことはやめましょう。
おわりに
腰痛は一度なってしまうとその後の生活に支障が出る可能性もあります。
少しでも腰に違和感を感じたら、普段の生活や仕事・介助ひとつひとつのやり方を振り返ってみるといいでしょう。
それが業務改善のきっかけになることもあります。
職員がキツいと思う介助では利用者にもキツいと思われている可能性が高いですよ。