介護関係者なら、
ケアプラン
を知らない人はいないと思います。
ケアプランがないと、
利用者が今どういう状態・状況で、
何に困っており、
どういう生活を送りたいのか、
そのためにどのような支援をしていけばいいのか等がわかりませんよね。
本来であれば、
その部分をアセスメントで割り出して、
(普段の状態観察が重要になります)
「●●さんには●●のサービスを●●の頻度で提供します」
と、具体的なサービスメニューを提示するわけですよね。
利用者の状態屋置かれた環境は人によって当然違うので、
100人いれば100通りのケアプランになるわけです。
しかしこれが、
施設
になると、
ほとんど似たようなプランになることが多いです。
施設という特性上、
在宅での生活が難しい人が利用します。
当然、介護度も高く、
拘縮
寝たきり
などの人の割合がどうしても多くなります。
そこに、
集団生活という縛り
(食事、入浴、排泄、レクなどの提供時間の固定化など)
が重なると、
十分な個別対応が難しい
体力面や病状などから利用者の「できることやニーズ」の幅が狭まる
などの理由から、
「体調管理を行う」
「歩行時は付き添いを行う」
「その人に適した食事を提供する」
などというサービス内容が使われてしまうのです。
でも、
これはある意味仕方のないことかもしれません。
そこまで状態が低下しており、その人が安心安楽に過ごすためにはこういったサービスが必要
なわけですから。
(十分アセスメントをし、多職種で協議をするのが大前提であり運営基準ですが)
そういったニーズの人が多いということです。
であれば、
体調観察や見守り付き添いなど、
ほとんどの人に適用されるサービス内容があるのなら、
それを施設の業務マニュアルとすれば良いのです。
そうすることで、
サービス内容をシンプルにでき、利用者や家族にもわかりやすくなります。
(ただでさえ、ニーズがどうとか目標がどうとか長々書いてあって相手からしたらわかりづらい書式なので)
そもそも、
上記で例にあげたようなものはわざわざサービス内容にしなくても、
当たり前に行うことです。
何か目的や狙い、利用者の希望などがない限りは、
サービス内容に入れなくても良いのではと思いますし、
私はケアマネ時代はそういったプランを立て、
一つのニーズ、目標に対してサービス内容は、
原則一つか二つに絞っていました。
こうすることで、
利用者、家族への説明をできる限りシンプルにわかりやすくできると共に、
モニタリングも楽になり、業務効率がはかれます。
そのうえで、サービス内容に記載されるものは、
「個別ケア」
となりますよね。
その人のためだけに行うサービス。
例えば、
「●●さんと●●の店で一杯やりたい」
というのも立派な目標になります。
その目標達成のために何ができるかを考えると、そうそう同じようなサービス内容にはならないでしょう。
施設のケアプランは金太郎飴プランだの何だのと揶揄されることもないでしょう。
というか、
プランを見て、
皆同じようなニーズやサービス内容でどの利用者のものかわからないようなプランでは良くないでしょう。
ニーズやサービス内容が他の人と重なることはあるかもしれませんが、
ニーズからサービス内容まで全てがほぼ一緒ということは、本来であれば考えにくいことです。
その人の生活背景、
その人の習慣、
その人の想い、
その人の好きなことや嫌いなこと、
その人の取り戻したい生活、
その人の望む最期、
利用者本人と接することはもちろん、
できる限り家族ともコミュニケーションを取り、
各職種のそれぞれの専門的見解を入れ、
柔軟な考えでプランを作っていきたいものです。