職場において、
特定の人の排泄、入浴、その他個別対応を
さりげなく避ける人、いませんか?
そういう人に話を聞いてみると
「苦手で…」
「あんまりやったことなくて…」
というような答えが返ってくることが多かったです。
そういったケースに対しての私の見解です。
技術や接遇面であれば、
きちんとした指導、説明を受けていない可能性がある
その人の対応の回数があまり多くなく、慣れていない可能性
この2点を考えます。
もしそうであったとしたら、
次に、
介助のどの場面が苦手なのか・何がわからないのか
を聞き取ります。
移乗であれば、移乗動作のどの部分なのか。
入浴であれば、入浴介助一連の中のどの部分なのか。
接遇・コミュニケーションであれば、相手のどういった部分に苦手意識を感じるのか。
中には、
人によって教え方が違う
なんていう悲惨なケースもあります。
こうなると、何でできない、やらないんだと対象の職員を責め、追い詰めることにつながりかねません。
利用者の性格にもよりますが、
そこまで調べたうえで、指導・説明に入り、
後は回数をこなすと、自然にできるようになってきます。
介助に慣れていない人の介助を見ると、
どこかおっかなびっくりやっているような様子があり、
それは介助を受ける利用者にも当然伝わります。
そんな状態では利用者も不安に思い、
「他の人にして下さい」
なんて言葉も出るでしょう。
利用者、職員、環境によって差はありますが、
最初は苦手だとお互い思っていたものが、
短くて数日、長くて1年くらいで、他の職員と同じように介助に入れ、利用者との関係性も良くなったケースを何度も見たり、自身でも経験しました。
なので、
最初は大変かもしれませんが、
苦手と思うものほどどんどん入り数をこなしたほうが、
結果として近道だったりします。
できないからと避けていると、いつまでたってもできないし、
その利用者からも苦手意識を持たれます。
現場にとって良いことはないでしょう。
苦手意識がある職員も、最初に書いたように、
介助のどの部分が苦手なのか
を伝え、
指導する側は、その部分に特化した指導、説明を行っていけば良いと思います。
それでもなお相性の問題などで双方にストレスがかかるようなら、一時的な交代はやむを得ないかもしれませんが、
それは慎重に考えてください。
簡単にこれを認めてしまうと、
負担がかかる業務を「苦手」といって入らないようになり、
それを他の誰かがカバーすることになります。
結果として一部の「仕事ができる職員・真面目な職員」
の負担が倍増します。
「何であの人だけ…」
と他の職員から不満も出るでしょう。
チームワークの乱れにつながります。
それぞれの対応に特化した職員が場面に応じて交代できるような環境であれば、
職員個々の能力を最大限に活かした現場になると思います。
が、
殆どの事業所は人員も時間もギリギリで、そんなことをしていたら業務が回らなくなるのでは…と思っています。
それをやっている事業所があったら教えて欲しいです。
どのように調整しているのかなどを。
(パク…参考にしたいです)
もうひとつ気がかりなのは、
職員の得意不得意に差があるということは、
その日によってサービスの質に差が出る
ということです。
場面によっては特化して良い部分の恩恵を受けれる利用者もいれば、
苦手な職員にあたる利用者もいます。
介助を受ける側としては、そんな不安定な環境では不安も出るのではないでしょうか?
それであれば、
全員がそこそこの質を持っていたほうが現場としても利用者の心境にしても安定するのではと思います。
この日のサービスの質は160%
この日のサービスは60%
ではなく、
毎日安定した80%のサービス
の方がいいように思えます。
何かに特化した職員はその能力やノウハウを研修などで伝えていくことで、
少しづつですが全体のサービスの質の底上げにつながります。
介護現場においては、
自分だけが知っている虎の巻
は長い目でみるとかえって現場の空気を乱すことになるのでは…
と思います。