闘え!介護職

介護施設での実体験、学んできた知識等を書いていきます。主に施設の介護職員向きです。現場での悩みや葛藤に対し色々な考え方や方法を提案するという形で闘っていきます。

トイレを拒否しがちな人の誘導方法一例

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「●●さん、トイレ行きませんか?」

「行かねーよ!」

…そして気づくと失禁。

 

というような経験、ありませんか?

特に認知症の人などに。

 

後処理もそうですが、

どうやったらトイレに行ってくれるか、

頭を悩ませますよね。

 

 

 

認知症の人を例にとり、私が行った対応を紹介します。

これがトイレ誘導を行う際、

何かのヒントになればと思います。

 

 

 

「●●さん、ちょっと動きますね」と声をかけ、そのままトイレに誘導する。

 

以上。

 

 

…さすがに誤解を招きかねないので、解説します(笑)

 

この場合、まずは

「トイレ」という言葉を、

「トイレ」という意味として理解していない可能性

 

を考えました。

 

そのため、いくらトイレと言っても応じないのではと思いました。

 

「そもそも言葉の意味がわからないのに、何処へ連れて行こうというのだ?」

と。

 

なので、

 

言葉で伝えるより、目で見てもらった方が理解できるのではと考え、とった対応です。

(各種説明書には、大体"図"が載ってますよね。文章と図を合わせることで理解しやすいといことの応用です)

 

トイレまで拒否なく移動できれば、

「ついでに寄って行きますか?」

と。

 

もしくは、

「立って下さい」→「ズボン下げますね」→「座って下さい」

 

と、

 

最小限でシンプルな声かけを行うことで、

「これからトイレで用をたす」

という認識につながる可能性があるのではと考えました。

 

これは、

認知症の人は、複数に意識を向ける必要のある文章が理解しきれないと言われているためです。

 

例えば、

 

「あの」「棚」にある「エプロン」「使って」ください。

などです。

 

 

「棚」をどうするんだっけ?開けるの?

「エプロン」をどうするんだっけ?もらっていいの?

何を「使う」の?

あのエプロンが何?

 

 

これが意味するものは何でしょう。

 

そうです。

 

棚を何度も開け閉めしたり、

棚の中身をいじったり、

エプロンをポケットに入れたり…

 

という行動につながるわけです。

 

 

トイレの場面でも同じことが言えます。

理解できないから誘導に応じない、応じられないのではないかと。

 

バーを握ったまま離さない

立とうとしない

立ったまたフリーズする

怒り出す

 

など…

 

 

そのため、

極力シンプルな声かけを行ったというわけです。

 

 

 

勿論こういった対応は、

 

利用者の状態などで反応は変わってきます。

 

万人受けではないかもしれません。 

 

 

 

ただ、

声かけを拒否されただけで、

 

トイレを拒否するからオムツにする

トイレを理解できていない

 

などと決めつけるのは早いかなと思います。

 

 

試せるものは試し、結果を評価することで、

意外とまだまだできることがあるかもしれません。