「海外は●●しているのに日本はできてない」
「今は海外は●●な動きになっているから●●すべき」
など、
やたらと海外の文化、やり方を推し、
自国のやり方を否定や見下したような意見がネットでもリアルでも聞かれます。
海外を意識するのは結構なんですが、
こういった意見に対しいつも思います。
海外はその国それぞれの歴史、文化、思想などがあり、だからこそそのやり方が合っているんじゃないか?
と。
ここは日本です。もちろん日本独自の文化や歴史、考えなどがあるでしょう。
それに、元々国が違うのに、
どちらのやり方が優れているかなんて比べようもないと思います。
何もかもが日本と根本的に違うのだから。
日本の場合、
現在の高齢者の生き方についてだと例えば、
男性は労働
女性は家事労働
などの、いわゆる労働をしてきたという生活歴がほとんどではないでしょうか。
こういった生活を送ってきた日本の高齢者の人たちに、
「(海外の介護シーンは何もせずのんびり過ごすらしいから)、何もしなくていいですよ。のんびり過ごして下さい」
「集団レク?活動?そんなのしないですよ。海外じゃそんなことはしてません。好きなことをやって下さい」
なんて言葉をかけたらどうでしょう。
利用者の中には、落ち着かなくなったり、
何をしていいかわからずとまどったり、
生活意欲が低下したり
こういった人が出てくるのではと思います。
前述したとおり、
現在の日本の高齢者のほとんどは、
男性は労働、
女性は家事労働
という生き方を人たちがほとんどです。
つまり、何かしらの役割をもって生きてきたわけです。
それを突然、
「何もしなくていいですよ」
みたいなことを言われても、
「どうしていいかわからない。」
「何かすることないの?」
と、なるわけです。
だから通所や入所の事業所では、何かしらのプログラムが用意されているのではないでしょうか。
介護現場で、たたみ物や食器、テーブル拭きなどを利用者に行ってもらったりすることがあると思います。
これもほら、「労働」でしょ?
何かをやってもらう。
それが日本の介護シーンにおいて「自立(自律)支援につながるから。
なんだと思うし、
現在の我が国の高齢者には、このやり方が適しているのではないでしょうか。
海外文化を否定するつもりはありません。
海外だからこそ考えつくようなものもあると思います。
ただ、海外のそのやり方が今の我が国の介護シーン、もっと言えば自分たちの事業所に合う物なのかを
海外だから良いんだと闇雲に盲信せずにじっくり考えていく必要があると思うし、
それこそ、「良いとこ取り」をしていけばいいんじゃないかなと思います。