闘え!介護職

介護施設での実体験、学んできた知識等を書いていきます。主に施設の介護職員向きです。現場での悩みや葛藤に対し色々な考え方や方法を提案するという形で闘っていきます。

制限だけなら専門職じゃなくてもできる

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以前、生活に制限をかけることに関して書いてますが、その食事編です。

その時のブログはこちら。↓

https://www.kaigobilly69.net/entry/2019/04/25/184817

 

 

ここから本題です。

 

介護施設内で利用者に

 

食事や飲み物について制限をかける

 

ところは多いと思います。

 

 

特に、酒、タバコ(食べ物じゃないけど)、カップラーメン、揚げ物、漬物、お菓子、ジュース類等。

(ほとんどですね)

 

いわゆる、

甘いもの、しょっぱいもの、油っこいもの、刺激物はターゲットにされやすいです。

 

 

糖尿病や腎不全などに代表される病的理由で医師の指示が出ているケースや、

薬の効能が変わってくるケース(ワーファリン服用者に納豆など)

 

などの理由であればまだ説得力はありますが、

(それも提供食事の調整である程度は対応可能と思われますが)

 

 

中には、

 

事業所やそこの役職、声の大きな部署、職員等の主観や思い込みなどで制限をかけているケースもあります。

(過去に経験しました)

 

そういう理由が主で、家族などからの食品の差し入れを禁止しているところもあります。

 

先に書いた、医療的根拠があるわけでも何でもない。

 

 

で、そういう主張をする人何人かに理由を聞いてみたことがありました。

 

返ってきた答えは、

 

「血圧が上がりそう」

「数値(何の?)が悪くなりそう」

「身体に悪そう」

「寿命が短くなりそう」

「体重が増えそう」 

「施設で出す食事を食べなくなりそう」

「要求がエスカレートしそう」

「他の人がうらやましがる」

「全員に同じことをしなきゃいけなくなる」

 

大体このあたりの返答でした。

 

 

根拠も何もないただの予測や思い込みにしか思えません。

これが専門職の答えることかと思いました。

 

 

その食べ物と血圧上昇は関連性があるのか?

アナタ(達)がいう通り、本当にその食べ物で寿命が縮まるのか?

(そんなの証明できないだろうけど)

その食べ物と体重上昇は関連性があるのか?

「身体に悪い」って、そりゃどの食べ物でも食べ過ぎれば身体に悪いでしょう。提供量を調整すればいいじゃない。

施設の食事を食べなくなるかも?何で施設の食事を食べないのか調べた?まず施設で出してる食事の形態や味、好みなどを調べるのが先じゃない?

要求がエスカレートする?できるところとできないところをハッキリさせればいいし、食べ物を持ち込むのは主に家族でしょ?家族とその辺りも相談すればいいじゃない。

他の人がうらやましがる?全員に同じ対応をしなきゃいけない?それはその利用者の話でしょ。個別に家族なり管理栄養士なり医療職なりに相談すればいいじゃない。それに全員が全員同じ想いを持ってるの?

 

 

こう思うわけですよ。

 

食事に対してのニーズがあるなら、できる限りそれに応えられるように動くのが事業所のあり方だと思っているのですが…

 

 

 

更にもっと引っかかるのが、そういう利用者が看取りの時期に差しかかってきた時。

 

「好きなものを食べさせてあげよう」

「何でも持ってきて食べてもらおう」

「楽しみを見つけてあげよう」

 

とか言って、あれほど制限がどうとか言ってた勢力が態度をガラッと変えるんです。

 

看取り時期になって「最後に好きなものを」て言って申し訳程度に口にする。

そんな時期なんて、飲食を100%楽しむことは難しいでしょう。

 

そんな時期にそういうことが言えるなら、何で元気なうちに食べさせてあげないんだよって思います。

 

看取りに対するパフォーマンスにしか見えませんよ。

 

 

入院して体力もなくなってる時に差し入れで「元気出して」って言って焼肉やラーメン出されるようなもんです。

(ちょっと違うか)

 

食べれるかっての。

 

 

 

元気なうちからそれらを食べれる環境にしてたならまだしも、
何で死にそうになるまで好きなものを食べれないんでしょうか。
晩酌みたいに飲食に習慣もある人もいるし、こだわりだってあるでしょう。

 


全員一律で制限かけるなら専門職じゃなくてもできます。

 

 

 

暴飲暴食を推してるわけじゃないんです。

アセスメントを経た栄養ケア計画に基づき、推奨カロリー等が決まった食事が出されます。

 

であれば、推奨値に近づけるよう、

その食事の量を調整するなどすれば持ち込んだ飲食物も楽しめるんじゃないでしょうか?

 

数値面が気になるなら医療職、管理栄養士と連携をとる。

禁忌品の有無は勿論確認。

 

 

それが「多職種協働」ではないでしょうか。