介護現場にある、常時ベッドのギャッジアップ
施設などでは利用者が臥床している時、
「常時」ベッドの頭部を30〜40度ギャッジアップ
これをしているケースを見かけます。
それも、ユニット単位、フロア単位で一律、
食事を食べている人も、経管栄養の人も一律で。
食べて(栄養注入)してしばらくの間だけとかならまだわかりますが、
「食事関係なく、臥床時は常時ギャッジアップしている」
人もいます。
何でかわかりますか?
(心不全などの場合は少し体を起こしたほうが呼吸しやすい場合がありますが)
疑問点常時ギャッジアップがもたらす弊害などについて書いていきます。
なぜ常時ギャッジアップをしなければならないのか?
- 嘔吐予防
- 痰絡み予防
私が聞いた理由は主にこれらでした。
一見、もっともらしい理由かもしれません。
上司や医療職の指示なら特に。
そしてこれを当たり前だと信じて疑わず、そういうものだとして対応していました。
常時ギャッジアップの疑問点
でもある日思ったんです。本当にこのやり方は利用者のためになっているのか?と。
私が思う疑問点は以下です。
- 24時間常にギャッジアップしないと嘔吐するんですか?
- 24時間常にギャッジアップしないと痰でどうしようもなくなるんですか?
- だったら、病院なんかは施設よりもっと状態が悪い人もいるのに、常時ギャッジアップしているベッドを見ないのは何故ですか?
- しかも、全員同じ対応なのは何故ですか?
そもそも、そんなに嘔吐や痰が続くようなレベルだとしたら、医療の介入が必要じゃないでしょうか?
根拠のない指示
どうしても納得できなくて、
先ほど書いた疑問点を突きつけたことがあるんですが、
常時ギャッジアップしなければならない理由を説明できる人はいませんでした。
それどころか、
「●●さんの指示だから」
「昔からこのやり方だから」
なんて答えが返ってくる始末。
具体的な理由も根拠もないならやる必要ないでしょう。
せめてファーラー位程度ならリラックスでき、呼吸もしやすくなるとは思いますが…
常時ギャッジアップのデメリット
それは、
- 寝づらい。それによりまとまった睡眠、休息がとれず、日中の覚醒に支障が出る。
- 長時間のギャッジアップによる姿勢の崩れ。それによる呼吸苦、拘縮、皮膚トラブルなどの様々な弊害。
- 長時間のギャッジアップにより皮膚が引っ張られ、不快感と皮膚トラブルにつながる。(自分でやってみると、背中が引っ張られて不快なのがわかると思います)
- ギャッジアップによりお尻にかかる圧が強くなり、褥瘡のリスクになる。(ギャッジアップすることで、身体にかかる圧が移動します)
などが理由です。
これらを無視してまで、常時ギャッジアップする必要性があるんでしょうか?
それで夜寝れなくて日中ウトウトし、「傾眠」なんて判断されたら、ますます利用者にとって不利益でしょう。
「離床時間を増やす」みたい対応にされるんだから。(実話です)
おわりに
もし24時間頭部を高々とギャッジアップする対応が、
私が知らないだけでれっきとした理由、根拠があるのなら、教えて下さい。
それは、快適な睡眠を奪い、皮膚トラブルのリスクを冒してまで、やらなきゃならないことなんですか?
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