闘え!介護職

介護施設での実体験、学んできた知識等を書いていきます。主に施設の介護職員向きです。現場での悩みや葛藤に対し色々な考え方や方法を提案するという形で闘っていきます。

利用者の外見や病気を話のネタにするな

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利用者は、様々な病気や事情を抱えており、それが介護サービスの利用につながっています。

 

中には、そういった病気や障がい及び加齢などで外見が特徴的になる人もいます。

 

そういった人たちとのコミュニケーション方法について物申したいことがあります。

 

 

見た目や障害、病気を話のネタにするな

パーキンソンや脳梗塞、糖尿病や肺気腫など、病気などで見た目が特徴的になるケースは多いです。

中にはそういったことを気にする人もいるでしょう。

 

本人しかわからない心情がね。

 

しかし、ここの配慮がなくズカズカと相手の心に入って、その見た目を話のネタにするなんてことがありました。

 

「嘘だろ?」て思いましたよ。

 

予測される病気や障がいをもつ人の心理

私は今のところは健康体であり、実際に介護サービス等を利用するような状況ではないので、

この16年間介護現場に身を置き学んだことをベースに書いていきます。

①否定、悲しみ

「何で自分がこんな目に」

「つらい」

「不安」

「怖い」

など…

こんな単語で済むほど単純なものではないのは重々承知ですが、

 

・そうなってしまった現実を受け入れられない

・これからの生活への心配

 

まずこれらの想いが出てくるのではないでしょうか。

 

②差別や憐みなどを感じる

他者の目を気にするようになり、またそういった他者の視線や言動、態度に敏感になります。

 

また、心ない一部の人は差別的な態度をとる人もいます。

更には可愛そうだと思われる。

 

そして弱者だと思われることへの屈辱、言葉では表せないような感情に苛まれます。

また、良かれと思って励ましたりポジティブな事を言う人もいますが、場合によっては逆効果です。

「そう言われる自分がみじめ」と思われる場合もあるでしょう。

 

③一人の人間として認めて欲しい

本人は「●●したいのに」と思っていても、

周りから否定されたり、真剣に想いや要望を聞いてもらえず、

「△△だよね。手伝って「あげるよ」」

と、ありがた迷惑なことをされる。

(これ、実際に私の知人にあったんですよ)

 

見せ物でも滅菌室で保護する対象でもないんです。

また、病気や障がいがあっても「意思」はあります。

かつては家族や地域、社会などのために活躍していた人です。

アナタと同じ「意思を持った一人の人間」として扱ってほしいのではないでしょうか。

 

人の病気や外見について良くも悪くも「話のネタ」にする人

日常生活の色々な場面でみかけます。

中には私の友人が心ない扱いを受けたこともありました。

それらを踏まえて書いていきます。

 

①コミュニケーションの「つもり」

言ってる側は、

「悪気はない(ホントに悪気がなかったりする」

「コミュニケーションのつもり」

なんて思いながら相手の見た目や特徴、障がいをいじってたりします。

 

が、これって裏を返すと

「心の中でマウントをとっている」

ように思えます。

 

無意識に相手を見下しているからそういう態度をとるわけで。

 

もっと言えば、自分の言語力やボキャブラリーがないから、相手の特徴をいじって話題にしているようにもとれます。

 

そんなのはコミュニケーションでも何でもありません。

 

②嫌そうな反応がなければ言っていいのか

仮に相手の見た目や特徴、病気をネタにして、相手が嫌そうな顔やそぶりをみせなくても、

当の本人はどうでしょう。

 

そもそも面と向かって反論できるのか?

元々の関係性から反論できない状況を無意識に作り出しているのかもしれないよ?

反論したら険悪な空気になるかもしれないという懸念がないか?

 

こういった可能性は十分に考えられます。

なのに嫌そうな顔をしないから「同意してる」と思うのは、あまりにも相手を舐めているとしか思えません。

 

③病気や見た目のことを本人がネタにする時の心理

病気や障がい、見た目の特徴などを、あえて本人がネタにしたりする場合もあります。

 

だからといって簡単に同調して煽るような発言をしないでください。

自分のことをネタにしたり自虐発言をするのは、

「相手に言われる前に自分から言って防衛線を張る」

いわば自分を守るため、正当化するためにとっている行動です。

 

イメージとしては、テストの勉強を全くしない状態でテストに臨み、

「テストの勉強をしなかった」

と言ってまわるケース。

 

仮にテストの点が良ければ、

「勉強しなかったのに良い点とった俺スゲー」

となるし、

点が悪ければ、

「やっぱり勉強しなかったからだな」

と、現実を受け入れやすくなる。

 

急に受け入れたくない現実を突きつけられる(この場合は病気や障がいをネタにされること)より、精神的ダメージが少なく済みます。

 

こういう心理があることも忘れないでください。

 

④本人がどう思っているかはわからない

自分の病気や障がい、その他外見的な特徴のことを、自身がどう思ってるかはわかりません。

少なからず現実を受け入れていることはあるかもしれませんが、

だからといって話のネタにしようものなら、

だんだんと表情が曇ってくるでしょう。

 

それと、良かれと思って相手の見た目を褒めるのも逆効果なこともあります。

 

「背が低い、高い」

などがわかりやすいでしょうか。

 

その特性をもつ本人しかわからない悩みがあるんです。

 

おわりに

私は相手の見た目をネタにするなんて失礼なことだと思っています。

 

相手の病気や障がい、見た目の特徴をわざわざ日常会話で話さなきゃいけない場面なんて少ないのではないでしょうか。

 

まして病気や障がい等は特に不安があり、様々な感情が出てくるでしょう。

(突然そうなった場合は特に)

それをネタにするということは、相手の心情を踏みにじる行為だと思います。

 

誰だって触れられたくないことの一つや二つあるでしょう。

であれば、わざわざ話に出す必要なんてないと思います。

ハッキリ言って、イジメを「いじり」と主張しているのと変わらないように思えます。

 

 

それでも人の見た目をいじりたい人へ。

「アナタは自分の家族や友達がその見た目を第三者にいじられてるのを見ても何とも思いませんか?」