介護施設で生活をする利用者も、いつかは最期を迎える時がきます。
その時、できるだけ悔いのないようにしたい。
そのために、施設側は本人や家族にいくつかの選択肢を用意し、丁寧な説明をし、皆で一緒に考えていきます。
特定の方向に偏った情報提供などもってのほかですね。
このことで少し気になったことがあるので、ブログにしました。
どんな最期を迎えたいか
いわゆる「看取りケア」「ターミナルケア」さしかかる時期です。
食事がとれなくなり、徐々に弱っていき、今後どういう方針でケアをしていくか。
経管栄養、緩和ケア、病院でできる限りのことをする…。
特養などでは大体このあたりの話が出てくると思います。
それぞれ良いところと悪いところがあるでしょう。
そこに、家族の想いや施設の体制などが合わさり、方針を決めていきます。
なので、家族にはできるだけ正確な情報をわかりやすく伝えることが必要になってきます。
家族も少なからず本やネット、テレビなどで情報収集をするかもしれません。
ここに注意点があります。
望まない延命という考え方
一部の講師やネット記事などで、
「望まない延命」「管だらけの身体にする」
とか、
「管だらけになって天井見て亡くなるより幸せです」
など、
経管栄養や延命に対し否定的な考えを発信しているケースがあります。
こういう情報があると、
経管栄養や延命そのものに対して否定的、ネガティブな印象を持たれることになります。
最終決定は家族かもしれませんが、特定の考えに対してマイナスな印象をもたれてしまうと、
話し合いそのものが特定の方向に流されかねません。
それこそ、後で後悔することにもつながりません。
あくまでも、「本人は何を望んでいるか(自己決定」であり、
それに対して我々は協力していく必要があります。
それは情報提供、選択肢提示の時点から始まっています。
明らかに「変なマイナスイメージ」を家族が持っている場合、
それを訂正したうえで、ニュートラルに戻す必要があります。
とはいえ家族としても、今までの家族としての歴史、利用者本人との関係性、利用者の現在の状態などから、迷ったり葛藤したりするでしょう。
そんなに簡単に決められるものではありません。
ここに注意しないと後々、
「私がお父さん(お母さん)の死期を早めてしまった」
と、家族がずっと後悔することも考えられます。
そうならないように話し合いを重ねる必要があります。
サービス担当者会議
新入所やケアプランの更新で、サービス担当者会議があります。
アセスメントの過程で本人、家族の意向を踏まえ、
今後のケア方針を決めていきますよね。
話し合い、意向の確認はここがチャンスです。
まだ利用者が元気なうちに、やんわりと「最期について」の話をし、意向を確認します。
「え、もう死期が近いの!?」
と、ビックリさせてしまうことがあるので、ここは十分に注意しなければなりません。
死はタブー視されたりしがちですが、看取り時期になって初めて意向を調べるより良いです。
近年はACPという考え方も広まってきているので、これを参考にするのも良いでしょう。
一昔前よりは話もしやすい環境になってきてると思います。
望まないケアはしていない
延命にしろ何にしろ、本人、家族が望まないことは介護施設でも病院でも行いません。
それをこともあろうに介護、医療関係者が、
「望まない延命を強いられている」
などと主張するのはどうなのでしょう。
デメリットばかりを伝えたりして印象操作をしたのかどうかはわかりませんが、
延命を望んだ利用者本人、家族、介護施設、医療機関にあまりにも失礼だし、その人たちを否定しているのではないでしょうか。
繰り返しになりますが、
「望まないケアはしない」
のです。
無理矢理延命処置をしたり、逆に何もしなかったりなんてことはありません。
どんな方向性を選ぶにしろ、家族や介護、医療関係者と話し合いを行なったうえでの決定となります。
看取り時期になってから慌てないで
普段から本人、家族とコミュニケーションをとることで、少しずつ意向を確認すると良いです。
必然的に利用者の状態も伝えることになるため、家族もイメージしやすくなります。
関係記事を紹介します。⬇️
情報は多ければ多いほど、家族はイメージしやすくなります。
看取り時期になってからいきなり多くのことを言われても混乱するし、判断もにぶりかねません。
そのためには普段からのコミュニケーションが重要になってくるのです。
おわりに
今の世の中は様々な情報で溢れかえっています。
中には首をかしげるような主張や、根拠がはっきりしないようなものも多いです。
家族が少しでも後悔が残らないように正確な情報の収集、
そして情報提供や表現方法を学んでいく必要があるでしょう。
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