私はゲームが好きです。
今回はドラクエと認知症を絡めて、認知症を解説してみたいと思います。
認知症対応のヒント、頭の整理になればなと思います。
認知症を「ステータス異常」と考える
知っての通り認知症とは記憶障害があります。
これは産まれてから様々な体験・経験を経て身につけた生活に必要な動作・行動など、多岐にわたります。
これらが徐々に失われてしまうのです。
これをドラクエのステータスで例えるとこうなります。
この画像はつまり「その人」をデータ化したものと考えることができます。
つまりはその人の「ステータス画面」です。
認知症という「ステータス異常」にかかるとどうなるか
生きていくことで人生という経験値を積み、年齢(レベル)が上がっていき、それに伴い生活に必要な知識や技術、社会人としての立ち振る舞い、
社会的地位(呪文、特技、永続スキル)などが身についていきます。
これが認知症という「ステータス異常」にかかると、
それまで習得した呪文やとくぎなどが「消される」のです。
一時的に使えなくなる「封印」じゃなくて、「消される」のです。
そしてそれはどれを消されるかわからない。
ホイミが消されてもベホマは使えたり、
ギガデインが消されてもギガスラッシュは使えたりしてきます。
複雑な生活動作ができるのに、基本的な生活動作ができないというのはここにあります。
ステータス異常になった人の行動は?
ここでよく聞かれるような認知症の人の行動を思い浮かべてみてください。
クシで歯を磨いたり、
味噌汁でうがいをしたり、
観葉植物を口にしたり、
トイレじゃないところで用を足したり…
介護の仕事や家での介護に携わった経験のある人は、これらと似たようなことが多少なりともあったのではないでしょうか?
これは認知症というステータス異常にかかって記憶の一部が消されたためといえます。
一部例を出してみましょう。
動作の一部が消された場合
クシで歯を磨くケース
例えばクシで歯を磨くケース。
歯磨きをしなきゃいけないのは知っている。
歯磨きの仕方も知っている。
でも歯ブラシがどれかわからない。(消されている)
なので似た形状のクシで歯を磨いたり、わずかに残っている記憶の中から最も歯ブラシに似ている「クシ」で歯を磨くこととなったのです。
これは「歯ブラシ」がどういう形状のものなのかという「記憶」のみが消されているといえます。
味噌汁でうがいをするケース
食事時間。配膳された食事をある程度食べ終わった状態。
あとお椀に残っているのは味噌汁。
その利用者は味噌汁を口に含むとうがいをし始め、たまたま近くに置いてあった卓上ゴミ箱に吐き出した。
このケースは、
食後に歯磨きもしくはうがいをするのを知っている。
うがいの仕方も知っている。
けれど何でうがいをするのかわからない。
洗面台でうがいをすることがわからない。
ここの部分だけが消されたと言えます。
なので残っている記憶の中でいちばん近いもの…味噌汁でうがいをし、ゴミ箱にそれを出したといえます。
認知症の進行で消される記憶(コマンド)は増えていく
月日が経つとともにどんどん消える呪文やとくぎは増えていき、
最終的には「たたかう」「どうぐ」等の、ゲームを進めるのに必要なコマンドまでが消されていきます。
つまりは、日常生活に必要な動作・記憶の各項目がどんどん消されていき、
「できないこと・わからないことが増えていく」
のです。
これを認知症にあてはめると、
いわゆる食べ遊び、ろう便、異食、徘徊など、介護者を悩ませる行動となって現れてきます。
それぞれ、目の前の状況に対応するための動作・記憶の一部分が消され、残っている記憶で何とかしようとしたために起こってしまったことです。
ドラクエでいえば、ダンジョンから脱出するための「リレミト」が消されてしまったため、「ルーラ」で何とかしようとして、結局出られずに何度も天井にぶつかっているような感じです。
これがいわゆる「認知症が進行した状態」です。
目の前のものが何かわからない。
どういう風に体を動かせばいいかわからない。
物の使い方がわからない。
こういったことが起こり、その積み重ねによって、
いわゆる「BPSD」として我々には映ります。
頭の中(コマンド)を整理しよう
認知症によってどの部分(コマンド)が消えたかを分析し、そこをフォローしていくことが大事です。
これもドラクエで例えると、
記憶障害による混乱、つまりはコマンドウィンドウ内の項目がバラバラになっているといえます。
それなら、わかりやすくなるよう整理する。
残っている呪文やとくぎ、コマンドを使いやすいように整理して、
できない所はフォローしていく。
これが大事なことだと思います。
プレイヤー側も、コマンドウインドウ内の項目があちらこちらに点在していると、プレイに支障が出ますよね。
まずは日常生活における「記憶・動作」のどの部分が失われているのかを分析・整理して、
失われている部分を支援する。
これは簡単にはいきませんが、普段の関わりの中で少しずつ情報を集めていく必要があります。
おわりに
認知症は決して「何もできない・何もわからない」状態ではないと思っています。
よくよく観察をしていくと、できない・わからない部分は一部分だったということがわかってきます。
「どうせわからないから」と諦めたりせず、少しずつ情報を集め、視野を広げ、アプローチしていく必要があると思います。
ドラクエでいう「いろいろやろうぜ」ですね。
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携帯機をセレクトしましたが、これは空き時間に気軽にできるからです。
仕事の休憩中とかにね。
しかもこのご時世です。年末年始は家でレベル上げに勤しむのも悪くありません^_^
ただ、くれぐれも「あと1レベルだけ」とゲームを続けて、遅刻することのないように…(笑)