闘え!介護職

介護施設での実体験、学んできた知識等を書いていきます。主に施設の介護職員向きです。現場での悩みや葛藤に対し色々な考え方や方法を提案するという形で闘っていきます。

介護業界で見かける「隣の芝生は青い」こと

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介護現場で、

「隣の芝生は青い」と感じることはないでしょうか?

 

ない?

ホントに?

 

よく考えてみてください。

 

例えば、

「ケアマネや相談員はパソコンばっかりで楽そうだ」

「看護はサッと処置したり下剤用意したりしかしてない」

「介護の夜勤は暇で、それで夜勤手当貰ってて不公平」

「施設長は数字しか見ていない」

 

どうでしょう。

ひとつふたつくらいは心当たりがあるんじゃないでしょうか?

 

気持ちはわからくてもないですが、

これは職場にとって何の意味もないばかりか、

職場の人間関係、労働環境を悪化させかねません。

 

今日はそんなお話をします。

 

 

ヨソのフロアや部署は良く見える

介護職にしろ何にしろ、それぞれの担当の場所で担当の職務をしているはずです。

 

ということは、同じ介護職でも他のフロアやユニットのことはわかりませんよね。

ましてや、看護や相談員、ケアマネなどの他の部署のことであればなおさら。

 

逆に自分が所属している部署は、その特性も大変さも理解しているはずです。

 

でも、それって他のフロアやユニット、ましてや他の部署の職員は知りませんよね。

 

だって、そこに所属していないから。

 

たまたま見えたヨソのフロアや部署の様子だけ見て、

「あそこは楽してる」

「あそこばっかり不公平」

なんて言うのはお門違いです。

 

例を挙げてみましょうか。

 

介護職から見たケアマネの様子

私のケアマネ時代の話です。

 

利用者の情報やケアプランの入力のためにパソコンに向かい、

認定調査やアセスメントのために利用者と話をし…。

 

これを見た介護職が私に言った言葉は何だと思います?

 

「いつもパソコンに向かって遊んでる」

「気まぐれに利用者の所に来て話だけしてる」

 

これですよ。

 

何のためにパソコンに向かい、何のために利用者と話しているのか、

それが1ミリも伝わってませんでした。

 

で、これが続くと、

介護職全体がケアマネに対してそうした意識を持ち、非協力的になるばかりか、

「現場手伝え!」

 

なんて言ってくるわけです。

 

私もケアマネになる前はそうした意識を持ってたので初めは話を聞いてましたが、

「お前らいい加減にしろよ」

と思い、

 

時間をかけてケアマネの仕事の説明をしてまわりました。

全体研修だと頭に入らないので、

普段の雑談の中で。

 

これが功を奏し、だんだんケアマネの仕事や、忙しい時間帯などをわかってくれるようになりました。

 

ケアマネからみた介護職の様子

先程と逆パターンです。

 

何度も利用者から「トイレ」と言われているが、

「ちょっと待ってください」

を繰り返す介護職。

 

それをたまたま通りかかったケアマネが目撃し、

 

「何でトイレ連れてかないの!!」

 

と大激怒。

 

そのままケアマネがトイレ誘導して、

「ここの介護職はレベルが低すぎる」

「あんな仕事で処遇改善もらうなんて」

と事務所で漏らしていました。

 

これにも後日談があり、

実はあの時その利用者は、ほんの5分前にトイレに行ったばかりの上、

他の利用者のトイレ誘導がまだ済んでいないため、そちらを優先させようとしていたのです。

 

当然、介護職からは不満が出ていました。

目の前のことだけをみて判断しないこと

どの仕事でもそうですが、今目にしている光景に至る前に、

その経過や理由があります。

 

たまたま通りかかった程度ではそれを見つけることは難しいでしょう。

 

だからこそ目の前で起こっていることだけをみていきなり注意したり、

影であーだこーだ言う前に、まずは話を聴きましょう。

 

そのフロアでしかわからないことがある。

その時間帯でしかわからないことがある。

そこに所属して実際に動いてみないとわからないことがある。

 

ここが足りないから、

目の前で起こっていることだけを見てロクに確認もせずに、

「楽してる」

「サボってる」

なんていう言葉がでてくるのです。

 

たまったもんじゃありませんよね。

 

利用者のことはあれほど、

「生活歴を知ろう」

「行動の背景を知ろう」

「決めつけないことが大事」

 

なんて言っておきながら、

一緒に働く職員に対しては真逆のことをしてるんです。

 

職員と利用者は違う?

確かにそうです。

 

でも、「他職種連携」とあれほど言われていますよね。

それをするためにはお互いの業務の理解が必須ではないでしょうか。

 

おわりに

フロアやユニットが違えば、

そこにいる利用者も違うし職員も違うし環境も違います。

また、ケアマネなど、職種そのものが自分と違えば、仕事内容も当然違います。

 

どちらにせよ、そこにしかない大変さはあります。

その種類が違うだけなんです。

 

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どっちが楽でどっちが大変かなんて話に出ること自体不毛なことなんです。

 

何か思うことがあれば、

まずは相手に話を聴いて下さい。

 

それすらせずに決めつけて文句ばかり言う事業所は、

その環境の悪さから離職を招きます。

そして残っている職員もモチベーションが低下します。

 

間接的に自分達で職場環境を悪くして、

間接的に自分達で職員を減らしてるんですよ。

 

その部署でしかわからない大変さがあるんです。

「自分達が1番大変」だと思わないでください。

 

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