施設で「手作業」「レク」と称して、塗り絵や貼り絵、その他作品作りを行なっているところも多いと思います。
今回はそんな「作業」についてです。
完成した作品を見ると、
・色はめちゃくちゃ
・形もめちゃくちゃ
というものを目にすることがあると思います。
この時、皆さんはどう思いますか?
「ちゃんと色も塗れない人」
「理解力がない人」
「とりあえず作ってる間はおとなしいから出来は気にせずこのままさせておこう」
なんて思ってはいないでしょうか?
でも、ちょっと考えてみてください。
筋肉の衰えやリウマチなどでうまく作れない人ならわかりますが(そもそもそういった人は他の取り組みをすすめることも検討しないといけませんが)
だいたい、そういった、いわゆる「めちゃくちゃ」なものを作る人は、認知症の方が多いのではないでしょうか?
知っての通り、認知症は「記憶障害」がありますね。
指定された作品の
・元の色
・元の形
が、どのようなものだったか記憶から抜け落ちています。
そのひとにとっては「情報ゼロの状態から作れ」と言われてるようなものです。
そりゃわかりませんよね。
めちゃくちゃな色づかいになって当然です。
でも、めちゃくちゃなものになっても完成させようとするのは、
残っている記憶の中から、
「その時の状況に最大限対応しようとした」
結果です。
もうこの時点でストレスです。
なので、そういった人に上記の活動をすすめる際は
すすめようとしている活動の「見本」
を用意してください。
そういった配慮をすることで、認知症を持つ人も活動が楽しめるのではないでしょうか。
もうひとつ注意点です。
席の配置が、認知症の人とそうでない人が隣もしくは近いと、認知症の人が注意されたりバカにされたりすることがあります。
やる気も起きないし自信も無くしますね。
席の配置も検討してください。
更に、先程書いた「見本」も合わせて用意すれば、もしかしたら間違えたりせず作品を作れら利用者間の関係も悪化しないかもしれません。
さて、
そういった配慮をしたうえで活動をすすめ、作品が完成しました。
その作品はどうしていますか?
だいたい、本人の部屋か共有スペース・廊下に飾ってたりしませんか?
作成者の名前入りで。
このとき、
「何かこう、子供が作ったみたい」
「景観が良くない」
といった印象を受けることはないでしょうか?
こういう時は大体、
「上手な作品とそうでない作品が一緒に飾られている」
ことが多いです。
そういう飾り方だとまとまりがなく、
今ひとつな作品は、より今ひとつに見えてしまいます。
そんな飾り方で、「利用者様の作品展」なんてタイトルをつけて飾られても、全体的にまとまりがなく、今ひとつに見えてしまいます。
なので、
「ある程度上手なもの、今ひとつなものを分けて別グループにして飾る」
とすると、整って見えます。
せっかく飾るなら、少しでも良く見えるように飾りたいものですね。