施設において、ケアマネの存在は重要です。
配置義務があるからではありません。
ケアマネの主な業務内容として、
- 入退所調整及び手続き
- インテーク
- アセスメント、それに伴う各職種からの情報収集
- 新入所のケアプラン作成
- 認定更新、状態変化によるケアプラン作成
- 認定調査
- 申請代行
- サービス担当者会議の調整、進行、会議録の作成及び内容の周知
- モニタリング
などがあります。
中には聞き慣れない言葉もあるかと思いますが、これらは全て、
利用者が生活するうえで欠かせないもの
です。
特に認定関係やケアプラン関係は絶対に不備があってはなりません。
(プランがない場合、運営基準違反になります)
なので、
ケアマネは日々頭を抱えながら利用者の生活を守るため、仕事をしています。
頭の中で合戦が行われているようなものです。
当然、集中力が必要で時間もかかります。
中には期限が決まっているものもあるし、
空き時間で簡単にできるほど甘いものではありません。
ですが、
施設のケアマネの中には
- 雑務を振られる
- 他の職種から「パソコンばかりで現場に来ない」と思われる
- カンファレンスをドタキャンされる
- 欠員時に駆り出される
- 挙げ句の果てには「施設ケアマネは不要」とまで言われる
など、仕事に集中できないような環境にさらされることがしばしばあります。
(私もそうでした)
特に雑務や欠員時の駆り出されは、相談員やケアマネがよく指名されます。
他の職種もいるのに…です。
当然、専門職と違い現場に入っていないことが多いので、
「仕事ができない」
「口ばっかり」
などと言われてしまいます。
そりゃそうでしょう。現場の職員じゃないんだから。
自身の仕事を調整してまで協力に入ってもそんなこと言われてれば不快ですね。
それに、逆の立場になっても誰もケアマネの仕事を手伝ってはくれません。
(というか、できませんが)
それどころか、他人事と思われることもあります。
ただ、
ケアマネ側も注意しないといけません。
- プラン関係を実質介護職員等に丸投げしている
- 経緯や現状を把握せず、正論や理想を押し付ける
- 上位職と勘違いし、高圧的な態度をとる
このようなケアマネでは、他の職種からの反発を招き、チームケアが成り立ちません。
ケアマネの本来の目的の
ケアマネジメント
が、できない状態となります。
そういったケアマネが目立てば、
「施設ケアマネは不要」
と言われても仕方ないです。
注意していきましょう。
職種間に上下関係はありませんよ。
現場の職員と壁ができることも多い施設ケアマネですが、
そういったものをなくしていけるよう、
私はこうしました。
- どの時期に何の業務にどのくらい時間がかかっているかを雑談を交え説明していく
- 聞き取り時、目の前の状況だけで判断せず、経緯も聞き取る
- アセスメントの各専門分野はそれぞれの専門職に作成依頼するが、丸投げせず、最小限の作業で済むように配慮する
- ケアプランの期限を一覧表にし、全職種が見てわかりやすいようにする
- ケアマネが欲しい情報は事前にまとめ、相手が答えやすいように配慮する
などです。
これでも理解してもらえないこともありましたが、今までのケアマネよりは他の職種との距離は縮まりました。
参考にしてみて下さい。
ケアマネは一見パソコン作業が多く、何をしているのかわからなかったり、楽だと思われることもありますが、
そのパソコンで、利用者の生活を支えるための作業をしているのです。
それは必要不可欠なものです。
ケアプランに基づいて日々のケアを行うので、
そのケアプランがしっかり作れる環境にないと、
利用者の生活に支障がでますし、酷い場合は運営基準に引っかかる可能性もあります。
各職種へのアセスメントの一部依頼も、
それぞれの専門性を信頼したうえでの依頼です。
各職種がそれぞれの専門性をもとにケアマネに情報提供をすることで、プランの精度は高まります。
決してケアマネがサボりたいからではありません。
職種によって忙しさの種類が違うので、
「私たちの方が大変」
というのはないと思っています。
どんな仕事だって大変です。
だから仕事として成り立っているのです。
できることなら、
専門職同士が無意識に壁を作らないで、
休憩や何かの時に雑談できるくらいの関係になり、
そこから仕事の話をし、
最終的に腹を割って話せるような組織にできればと思っています。