排泄介助の際、
「お腹を押す」
もしくは、
「お腹押して!」
と言われた
という経験はないでしょうか?
私は何度もあります。
この「お腹を押す」ついての見解です。
結論からいうと、
私は反対です。
たしかに、お腹を押して圧をかけることで排尿や排便があることはあります。
しかし、
身体、特に内臓への負担や損傷リスクはないのか?
押す力、場所は適切なのか?またそれをどうやって判断するのか?
お腹を押して排泄を促すという医療的エビデンスはあるのか?
専門的教育を受けた医療職に比べてそういった教育が薄い介護職において、簡単にできるものではないのではないか?
介護職がそれを行うための手技の取り決めはあるのか?
などの点から、
この方法には疑問を持たざるをえません。
それに、
そもそも痛いだろ?
というのもあります。
これらがはっきりしないがために、
人によって押す力、場所が異なってしまい、
ひどい場合は内出血を起こしたりした例も見てきました。
そんなリスクを冒してまで無理に排泄させるなら、利尿剤や下剤などでひとまず対応するのも致し方ないのでは?
と思います。
排泄を促すなら、
まず、
排尿、排便が少ない、少なくなった理由を調べ、(特に便であれば性状など)
適切な医療アプローチであったり、排泄時の姿勢調節であったり、水分補給を行うなどの方法が良いのではないでしょうか。
乏尿や便秘などの排泄トラブルは、原因が様々です。
加齢、筋力、病気、認知面、栄養水分不足…
それらが更に細かく枝分かれしているため、ケースによっては原因の特定が難しいかもしれません。
時間をかけて調べていかないと難しいでしょう。
現実問題として施設は特にそれが難しく、利尿剤や下剤で対応していることが少なくないですが…
私の排泄介助方法として、
トイレに行ける人であれば、
基本的な排泄姿勢を作り、両足がしっかり地面に着くようにします。
オムツの人であれば、
グッと真横を向いてもらいます。
こうすることで排尿があることがあります。
(フタを開けたペットボトルを横に転がすと中身が出ますよね。そのイメージです)
それで出なければそのように記録します。
原因分析は会議などで提案します。
お腹は押しません。
もし、
お腹を押すという対応が医療的エビデンスなどがあり、その手技も確立されているなら教えてください。
もしかしたら私が知らないだけかもしれませんので…