闘え!介護職

介護施設での実体験、学んできた知識等を書いていきます。主に施設の介護職員向きです。現場での悩みや葛藤に対し色々な考え方や方法を提案するという形で闘っていきます。

看取り期の食事中止の判断のタイミング

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看取り期が近くなる・看取り期に入ると、食事量が落ちてきます。

 

 

ターミナルケア移行の大まかな基準として、

 

食事がとれなくなったら

 

という事業所もあります。

 

 

 

やがて食事も全く受け付けなくなるでしょう。

どこかで「食事中止」の判断に踏み切らなければならない時がきます。

 

 

 

この「食事中止の判断のタイミング」ですが、

非常に悩みます。

 

 

こちらの工夫でまだ食べれる可能性があるのか。

食事自体が本人にとって苦痛になっているのか。

 

 

カンファレンスでは、家族より

「食べれるものを食べれるだけ」

「無理のない範囲で食べさせてほしい」

 

という意向をよく聞きます。

 

 

 

なのですが…

 

この「無理しない範囲」という言葉の解釈が人それぞれで、

 

拒否してるのに何度も声かけをする

介助してでも食べさせる

 

という場面を多く見てきました。

 

 

 

特に声かけにおいては、

 

「食べないと具合良くなりませんよ」

 

というような言葉を何度もかけ、半ば無理やり食べさせているように思えます。

 

 

それ、工夫でも何でもないと思います。

 

 

明確に「いらない」という態度を示す

(全介助の場合)口を開けなくなる

 

というような状態になってきたら、

 

多職種を交えカンファレンスを開くべきだと思います。

 

その材料として、食事の様子や摂取量などを細かく記録しておく必要があります。

 

看取り期であれば、1週間ごとにカンファレンスを開いても良いと思います。

(ターミナルケア加算の算定要件に「定期的な計画の見直し」があったと思います)

 

 

これをしないと、

 

「できる限り食べてもらわないと!」

 

と、食べれない、食べたくないのに食事をすすめ続けることにつながりかねません。

 

 

こうなると利用者にとっては苦痛でしかないでしょう。

 

今までも数多くそんな事例を見てきました。

 

 

 

で、看護師や相談員などに言われてようやく納得するのです。

 

 

というか、介護職同士でそんな話をしても、

 

「いや、できる限り食べてもらわないと」

 

と、聞く耳を持たないことがほとんどでした。

 

 

 

そうならないための記録とカンファレンスなのです。

 

 

 

 

 

食事を中止する判断は確かに難しいです。

 

でも、クドイ声かけや介助をしてまで食べさせるのが果たして本人にとって好ましいことなのかどうかは疑問です。

 

食べなくなるということは、身体が食事を受け付けなくなり、最期を迎える準備に入ってきているということ。

 

 

であれば、食事にこだわらず、

 

本人が好きだったもの、馴染みのあるものをオヤツ程度に味わってもらう程度で良いのではと思います。

 

 

そういった判断は日々の観察や記録を元に、

多職種と定期的なカンファレンスで決めれば良いと思います。

 

情だけで動いてしまわないように。

 

 

 

 

 

〜今日の一枚〜

ROCKIN' ICHIRO&BOOGIE WOOGIE SWING BOYS  「B.W.S.B」

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ロカビリーをベースにジャズやスウィング要素が入ったスリーピースバンド。

ギターが物凄く上手く、ボーカルの声も綺麗で聴きやすいです。

これはベスト盤で、今は手に入りにくいシングル曲やコンピ盤限定の音源も収録されてます。