闘え!介護職

介護施設での実体験、学んできた知識等を書いていきます。主に施設の介護職員向きです。現場での悩みや葛藤に対し色々な考え方や方法を提案するという形で闘っていきます。

利用者の姿勢づくりの意味と大切さ

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過去に何度か姿勢関係の記事を書いてきましたが、

今回は主にベッドで過ごす時間が多い利用者を例にあげ、

姿勢、ポジショニングの意味と大切さについて書いていきます。

 

ここがしっかりしていないと、ただクッションを突っ込むだけの対応や、

姿勢設定そのものがおざなりになり

面倒だの意味がないだのとで徹底されなくなってしまい、

結果として利用者の不良姿勢につながりますので。

 

安楽な姿勢作りを考える

姿勢作りにおいて最も大切なのは、

安楽な姿勢

です。

 

食事や入浴、その他活動時を除き、普段過ごす時は安楽な姿勢でいられることが大切です。

 

寝たきりの方は特に。

 

なぜかというと要介護高齢者は、

病気や加齢などでだんだん心身状態が変わってきます。

健康な人であれば無意識のうちに姿勢を直しますよね。

あれができなくなってきます。

 

職場での利用者の様子を思い浮かべてみてください。

 

円背の方、

身体が常に傾いてる方、

拘縮でガチガチに固まってる方、

 

ひとりふたりはいるんじゃないでしょうか?

 

姿勢ひとつだと軽く考えないで下さい。

不良姿勢は様々な弊害をもたらします。

 

不良姿勢がもたらす弊害

こういった不良姿勢ですが、

「だって高齢者だし、しょうがないんじゃない?」

と、軽く考えないで下さい。

 

例えば拘縮でガチガチに固まってる方。

ポジショニングも何もせずに放っておいたり、

何も考えずに背中にクッションを入れてるだけの場合、

カカトや仙骨などの局所に圧が集中します。

 

褥瘡まったなしですね。

 

また、こういった方は頭が後ろに反り返っていたり、

身体がねじれているようになっていることも少なくありません。

 

これは呼吸がしづらくなったり、脈に変化がでてきます。

呼吸しづらいって苦痛ですよね。

こういった苦痛を長時間強いられるわけです。

 

夜も寝れませんね。

 

ちなみに私が同じような姿勢をとってみたところ、

15分が限界でした。

それだけ苦痛なんです。

 

苦痛を取り除くこと

目の前の利用者の姿勢をみて、

どこが不自然かを見極めます。

 

ここは機能訓練指導員などの力を借りると良いでしょう。

 

不自然=苦痛です。

 

ここを見極め、アプローチをすれば改善できる可能性が見えてきます。

 

身体のねじれはないか。

カカトや腰など、局所に圧がかかるようなところはないか。

呼吸しにくそうな頭の角度になっていないか。

腕や脚の重みに自身が耐えられているか。

 

などなど、苦痛となっている原因を見つけていきます。

 

どうすれば苦痛となっている部分を取り除けて少しでも楽になれるか。

これが大事です。

 

クッションの役割

介護現場でよく目にするクッションですが、

「褥瘡予防には体位変換だ」

と、そこだけに意識が向いてしまい、

 

30度になるようにクッションを背中に当て込み、

定時で左右に体位変換をするだけ…

なんてことはありませんか?

 

自分で試してみるとわかりやすいですが、

30度の角度でクッションを当てて寝るって結構苦痛です。

 

またクッションというのは、身体にかかる圧を分散させたり、

麻痺や拘縮で腕や脚の重さをうまく逃がせない場合などの支えなどに使います。

 

当然、その利用者の体格、身体の状態などでクッションの高さや長さなどを調整する必要なあります。

 

適当なクッションを腰に突っ込むだけというのは、

腰以外の部分が支えきれずに戻ろうとし、

身体のねじれにつながります。

 

背中にあてるなら長めのクッションでしっかり支えて下さい。

もしくは無理に直接身体にあてなくても、

マットレスの下に入れることで摩擦と身体にかかる不快感を防ぐこともできます。

 

また、特に拘縮で膝が曲がっている利用者に対して意味もなく膝の下にクッションをあてていることもありますが、

あれは本来下肢全体を支える使い方をします。

そうして下肢の重さを分散させます。

 

これも自分でやってみるとイメージがしやすいです。

 

「クッションを使って指定された姿勢を作って固定する」

ではないのです。

 

きちんと目的と効果をわかっていなければなりません。

 

安楽な姿勢が褥瘡、拘縮悪化の予防につながる

きちんと身体状況をアセスメントし、

安楽な姿勢を作ることが、

結果として体調不良、褥瘡、拘縮の悪化予防につながります。

 

体圧分散がきちんとでき、不要な緊張、力が抜けることでリラックスでき、

それが呼吸もしやすくなり、夜もよく眠れることにつながるので。

 

褥瘡を防ぐための目的というわけではないんです。

安楽に過ごしてもらうことで、結果として褥瘡や拘縮に良い効果をもたらすのです。

 

おわりに

不適切な姿勢となりリラックスできないということは、

体調や意欲低下につながります。

 

そこに気づき、適切なアプローチをすることで

改善することもあるし、

実際にそれを目の当たりにしてきました。

 

特に寝たきりの利用者は気にかけてください。

 

いつのまにか皮膚状態や拘縮が悪化していて、

本人もそうだけど介護職員も大変になっていた…

 

なんてことになりかねませんよ。

 

 

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