施設で生活する利用者は、定期もしくは突発的に受診がある場合があります。
それも利用者によって、診てもらう内容によって、
受診先も異なります。
誰が行く?介護?看護?相談員?
でも忙しい人出せないよ!
こんな悲鳴にも似た声を聞いたこともある人いるんじゃないでしょうか。
利用者にとっても、事業所にとっても効率的と思える受診対応について考えてみました。
受診とは具体的に何をすればいいのか?
ただ利用者を医者に連れてって終わりじゃないですよ。
利用者の移乗、
更衣などの準備、
送迎車に乗せる介助(家族が行う場合あり)、
道中の利用者とのコミュニケーション、
医者に普段の様子を伝える、
医師に具体的な利用者の症状(いつからどこがどうなってるか等)
医師から欲しい情報の選定、それに基づく指示受け
ざっと思いついただけでもこれくらいあります。
それはつまり、少なくてもこれだけのことを知っておかなければならず、介助もできなくてはなりません。
となると、誰が(どの部署が)対応するといいでしょう。
介護が受診の対応すればいいか?
介護が行う場合、利用者の対応全般は難なくこなせるはずです。
利用者からみてもいつも介助に来る知っている顔がいれば安心でしょう。
しかし、介護職は医療職に比べ医療の知識が乏しいです。
そりゃそうですよ。勉強する内容が違うんだから。
なので、医療的な面での気づき、それに対する報告の仕方、
どんなことを医師に聞いたらいいか…
この部分が弱いといえます。
看護が受診の対応すればいいか?
では、看護が対応すればいいのか?
確かに看護が対応すれば医師との連携はスムーズに行き、話もスムーズに進みやすいかもしれません。
でも、始めに書いたように、受診とは、
「医師の元に利用者を連れて行くだけ」
ではありません。
利用者の移乗、
更衣などの準備、
送迎車に乗せる介助、
道中の利用者とのコミュニケーションのコツなど、
介護職員に比べて看護が携わっていないことをする必要があります。
イレギュラーな事態が起きた時、普段介護業務をしていない看護では、上手く対応しきれず、場合によっては利用者が落ち着かなくなったり、転倒などの事故を引き起こす可能性もあります。
相談員・ケアマネが対応すればいいか?
じゃあ、相談員やケアマネ等はどうでしょう。
もし仮に、介護と兼任であれば、大きな問題はないかもしれません。
では専任の場合はどうか。
これも看護のケースと同じことが予想されます。
普段介護業務をしていないし、利用者から見てもあまり見ない顔だから。
誰が受診に行っても対応できるようにマニュアルと情報用紙を作る
こうなってくると、
「誰が行ってもダメじゃん!」
てなりそうですが、
私が実際に行った対応策を以下に書きます。
- 利用者の簡単なADL表(よくある行動と対応など)→介護が作成
- 医療的な状態、医師に確認してほしいこと→看護が作成
- 家族に伝えるべきこと、家族からの質問など→相談員・ケアマネが作成
- その他→随時作成
こんな感じであらかじめ情報を集め、雛型の用紙を作っておきます。
どの利用者にも共通するものはあらかじめ書いておく
個別的なものはその都度書く。
これをパソコンで出力し、受診対応者に持たせる。
こうすることで、誰が行っても比較的同じ対応がとれ、医師に確認することなどの説明力のバラツキも防げます。
あとは、受診対応者を決めるだけ。
受診後の情報共有も、医師から受けた指示をこの紙に書いてコピーして渡せば事足ります。
ケース記録に添付して「別紙参照」とでもしておけばいいでしょう。
これで受診対応がスムーズに行き、対応者、対応部署によるバラツキも防げました。
おわりに
医師から正確な指示、正確な薬の処方を受けるには、
受診者側がいかに正確な情報を伝えるかにかかってきます。
普段の利用者の様子や病状などを知ってるわけでもないし、普段沢山の患者の対応をしているため、
下手したら利用者の顔も覚えていないかもしれません。
「受診は●●の仕事」と部署同士で押し付け合うのではなく、
「部署共通して行う業務」
という認識を持つことが大事です。
(管理者がその旨指示を出してもいいかもしれません)