闘え!介護職

介護施設での実体験、学んできた知識等を書いていきます。主に施設の介護職員向きです。現場での悩みや葛藤に対し色々な考え方や方法を提案するという形で闘っていきます。

機能訓練(リハビリ)の意味

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今日は施設における

「リハビリ」

(機能訓練)

 

について思うところを書きます。

 

 

介護施設で、

 

「リハビリ」

「できることは自分でするべきだ」

 

等という理由で、

 

  • 時間がかかってすっかり冷めたりお粥が水っぽくなっても自分で食事を食べさせる
  • 立てないひとを無理やり立たせてトイレに座らせる
  • 車椅子の人で到着に時間がかかるのに一人でトイレまで自操させる(結果漏れている)
  • 身体の痛みがあるのに長時間の離床をさせる

 

などという場面を見かけたことがありませんか?

 

これらの

自力での食事、車椅子の自操、離床時間の確保などの支援が、

 

じゅうぶんなアセスメントをし、利用者の意向やニーズに沿ったもの

 

ならまだわかります。

(ただ、例に挙げた状態では利用者にとっては不利益といえるので、その原因を多職種で調べ、評価し、場合によってはプランの変更が必要でしょう)

 

 

しかし中には、

「自分でできることはしなきゃいけない!リハビリだ!やらないと廃用症候群になる!

 

と主張し、最初に挙げたような

 

水っぽくなったお粥を食べさせられたり

漏れているのにトイレまで自操させられたり

体が痛いのに離床させられたり

 

していることがあります。

 

こうなるともはや虐待ともいえます。

 

 

 

上記の例をとって考えてみましょう。

 

食事であれば、

自力摂取の目的は何なのか。

食事を皿からすくって口に入れるという腕の動きの維持なのか。

食事を食事として認識する認知機能の維持なのか。

食事をすることのできる体力の維持なのか

 

などです。

 

同じ自力摂取でも、プランによって

目的が違いますよね。

 

 

トイレについても同様です。

トイレでの排泄の目的は何なのか。

尿意、便意の喪失を防ぐためか。

トイレまで行くことのできる上肢、下肢筋力の維持なのか。

トイレをトイレと認識する認知機能の維持なのか。

便器へ移ることのできる筋力や座位姿勢の維持なのか。

 

などです。

 

 

続いて離床です。

食事や入浴、余暇を楽しめる体力の維持なのか。

他者との交流などの外部の刺激を受けるためなのか。

 

などです。

 

 

 

このように、同じサービス内容でもどんな目的でそれを行なうかによって、取り組み方は変わってきます。

 

それを確かめずに(ひどい場合はプランすら確認せず)

ただ「できることはしなければいけない。リハビリだ。さもないと廃用症候群が〜」

などと言い、半ばむりやり自分でさせているのです。

 

だいたい、

  • 食事の自力摂取→何らかの理由で食事が進まない→食事が冷める→介助
  • トイレに向かってもらう→何らかの理由で移動が遅い→漏れそう→介助する

 

と、途中から介助をいれても、そうそう影響は出ません。

 

食事であれば、美味しい状態で食べてもらう。

トイレであれば、漏れる前に誘導する。

その方がよっぽど大事です。

 

我々は利用者の生活をトータルで支えているわけです。

 

時間がかかってもリハビリと称して無理を強いているような人は、そこを勘違いしているように思えます。

身体機能しかみていない。

 

トイレまで一人で行かせて、「どうしたいの?」

ご飯が冷めてまで一人で食べさせて「どうしたいの?」

苦痛を我慢してまで起こして「どうしたいの?」

体力をつけて「どうしたいの?」

 

心身の苦痛を与えてまで一人でさせるその先の利用者の姿をイメージできる?

自信をもってその対応が利用者のためといえる?

 

 

 

最後に、簡単ですが私が関わってきた機能訓練の一例を紹介します。

 

  • 座ること(座位・体力維持)
  • 立つこと(移乗時の立位保持)
  • 食事で箸やスプーンを使ってもらうこと(食事に使う筋力維持、食事の認識など)
  • 身体を洗う
  • レクや慰問への参加(離床による体力維持・社会交流)

 

などです。

 

「なーんだ」と思う前に読んでみてください。

 

これらを生活内に振り分け、自然にそれが行えるようにします。

そうすることで本人の「やらされてる感」

をなくし、さりげなくリハビリにもなります。

もちろん、場合によっては無理に最後まで自力ではしてもらいません。

 

利用者にとっても、何の目的もなく、

ただやらされているのでは苦痛にしかなりません。

 

また、

 

  • 移乗スキルを上げれば全介助から一部介助にできるかもしれない。
  • 食器の形や自助具を使ったり食事の色合いなどを変えれば少しは自分で食べれるかもしれない。

 

アセスメント時にそういった気づきや可能性を見つけ出すという理由もあります。

 

 

それこそが「利用者の生活を支える」

ことだと思います。

 

 

機能訓練とは何のために存在し、わざわざ加算もあるのか、いちど考えてみてください。