昨日の続きです。
こういう人、いませんか?
・トイレに行きたがらず、漏れることが多い
・お風呂に行きたがらず、においや皮膚トラブルが起こっている
私がいちばん見聞きした対応はこちらです。
・話を聞かず、強制的に連れていく。ただし手をあげたり苦情になりやすい人はそこまでしていない。
どうでしょうか。
個別対応という割に、人によって対応を決めています。
もっと言うと、自分に影響が及ばない人に対しては強引に対応しています。
強引な介助が重なれば、更に介助に対して拒否的になるし、何かのはずみで「切れる」ことになり、いわゆる
・暴言
・暴力
認知症の人であれば
・帰宅欲求
・徘徊
(あえてこう表現します)
等につながる可能性がでてきます。
そこに気づかず、
「認知が進んだ」
(あえてこう表現します)
なんて言われてしまうのです。
もちろん中には、認知機能が低下し、介助そのものを理解できずに上記の行動をとる場合もありますが。
拒否の理由は本人しかわかりませんが、かといって介助中にそこを掴むのは難しいので、とりあえずの対応として私はこうしています。
・いったん主張を聴き受け入れ、身を引く。
↓
・その後しばらく時間をかけて誘導を試みる。
・対応者を変えてみる
↓
・それでもだめなら諦める
↓
・この一連のやりとりを記録し、しばらく期間をおいてデータをとる。
↓
・データをもとに会議の場などで議題にあげて対応検討
です。
(もっと効率的な考えがあればぜひ教えてください)
なるべく相手に不快感を与えないよう対応しているつもりです。
時間はかかりますが、人相手なので。
「こうすればすぐ言うことを聞いてくれる」
なんてものはありません。
介護現場の中では、
そんな「相手の想いや主張」を無視し、ただお風呂に入れる、トイレに連れていければ良いという空気があります。
トイレやお風呂は生活の一部分であり、目的ではありません。
何のためのケアプランなのでしょうか。
そういう考えの人は、それを提案し、そういった方向性でのケアプランを提案してみてください。
私みたいな考えを持つ人にそこまで言えるのなら、自身をもって提案して本人や家族に説明できますよね?
とはいえ、個別対応に意識が向きすぎて、残業続き…となるのもいただけません。
他の業務も山ほどあるのもわかります。
なので、
・「時間の縛りを捨てる」
・「引き継げる環境作り」
はいかがでしょう。
「●●時までにここまでの仕事を終わらせなきゃならない」
という考えを一旦捨てます。
そういう考えの人が、強引な介助をしたり、対応が丁寧な職員のことを「仕事が遅い」と言ったりするのです。
終わらないものは引き継いでください。
(「終わらなくても引き継げばいいや〜と手を抜く可能性もありますが…)
時間に意識が向いているから強引な介助につながりやすいのです。
食事の提供時間の縛りなど、仕方のない部分もありますが…
排泄でいえば、
同じ時間に全員やろうとするから時間がかかるので、
ひとまず尿量データなどから大まかに排泄リズムを推測し、その時間帯を中心に対応していきます。
これも「個別ケア」といえます。
こうすることで他の時間帯に分散させることができます。
入浴であれば、その日誰が入るかわかるはずなので、事前に着替えの準備や離床をすませ、スムーズに入浴に行けるよう配慮する。
(バイタルちゃんと見て下さいね)
などです。
「事前にできそうなものは行っておき、終わらないものは引き継ぐ。引き継いでも大丈夫なように一度業務全体を見直す。(引き継がれた業務を行う時間をつくる)引き継がれた側はそれに対して嫌な顔をしない」
と、文にするとこれだけなんですが、記録や物品の補充やゴミ捨てなどはともかく、直接介助に関わる部分では、事前に個々の生活リズムを把握する必要があります。
はっきり言えば事前の仕込みが大変です。
あと、他の職員の理解も…
しかし人間相手なので、「こうしたら簡単にできる」というのはありませんし、イレギュラーな事態も起きますからね。
楽して業務が回る方法があれば他の事業所もとっくに取り入れてます。
あくまでも一例ということはご理解ください。
そもそも介護現場は時間の余裕がなく、常にバタバタしています。
ちょっと時間のかかる対応はできればしたくないのが本音じゃないでしょうか。
なので、そもそもなぜ時間がないか、どうしたら時間がとれるかを考えてみましょう。
・各業務の時間がそれぞれどれくらいかかっているかを調べ、さらにその業務のどの部分に最も時間がかかっているのかを調べます。
そこから分析に入ります。
職員の技術の問題なのか、職員数が足りないのか
(現在の人数での状況と、あとどのくらい人数がいればどのような改善効果が見込めるのかなどを提示する必要があります)
対象者が多いのか、動線が悪いのか、他の利用者の対応と重なるのか等…
介助全般に時間がかかるのであれば、
それは誰なのか、どういった場面なのか、どのくらい時間がかかるのか
等、徹底的に調べます。
事故でもそうですが、原因がはっきりしなければ対策も立てようがありません。
ただ「時間がありません」「人がいません」だけでは話が進まないので、しっかり分析する必要があります。
人も時間も簡単に増やせないので。
原因が絞れたら、対策に向けて協議します。
ここまで徹底的にやると、解決の方向性が見えてくることがあります。
そうして確保できた時間(確保できない場合もありますが)を個別対応に回せます。
といっても限度があるので、時間をみながら「他の人にも呼ばれてますので…」などと説明して他の人の介助にも行く必要がありますけどね。
少し感情的になったうえ、長文になりましたが私の考えは以上です。
「個別対応」の使い方がその日と人によって変わることがあまりにも多いので書かせて頂きました。
何事もそうなのですが、
「ハッキリさせたい」
これに尽きるのです。
その時その時で都合よく解釈を変えないでください。