皆さんは夢を見ますか?
楽しい夢、悲しい夢、怖い夢…
起きがけの寝ぼけた頭である日ふと思ったのです。
認知症と夢って似ているんじゃないかと。
これはひとつの仮説で、これに関する研究があるかどうかもわかりませんが、
認知症をイメージしやすい仮説ではないかと思いました。
ひとつの読み物としてお楽しみください。
夢と認知症の共通点
皆さん、朝目覚めた直後のことを思い出して下さい。
夜見た夢の内容や体験、感触まで鮮明に覚えていると思います。
しかし、少し時間が経つと、あっという間に忘れていきます。
そしてとうとう、「夢を見た」ということだけをかろうじて覚えており、
内容は綺麗さっぱり忘れてしまいます。
これを認知症、特に短期記憶に当てはめてみます。
体験、受けた刺激、事柄、人からかけられた言葉など…
あっという間に忘れていきます。
そしてかろうじて残った記憶の中で、
「最善と思われる行動」
をとります。
これが、
クシで歯を磨く
鉢植えの葉を口にする
食事の中身をひっくり返す
などの行動となって表れます。
認知症関連記事はコチラにて⬇️
嫌なことほど覚えている
夢のなかでも特に、
怖い夢や嫌な夢など、マイナス面でインパクトのある夢のほうが、
楽しい夢に比べて覚えている期間が長い…
という経験はありませんか?
私はしょっちゅうです。
楽しい夢は、
「楽しい夢を見たような気がする」
くらいしか記憶がないですが、
怖い夢のほうが内容をしっかり覚えていたりします。
で、これも認知症に当てはめてみます。
その人にとって嫌なことや怖いこと、
例えば
無言で車椅子を押す。
無言で突然起こす。
雑、乱暴な介護。
などでしょうか。
たまに聞かないですか?
「●●さんの時だけ不穏になる」
「●●さんの時だけ介護抵抗がある」
「●●さんの後の夜勤は寝ない利用者がいる」
といった話を。
勿論全部が全部とは言いませんが。
更に、
レクなどで外出をした。
外食をした。
行事をした。
こういったプラスなことに関しては、
「行ってない」
「食べてない」
なんて利用者に言われてしまうことも…。
これも、
マイナスなことほど記憶に残るという部分では、
夢と似ているのではないかと考えます。
おわりに…ちょっとした体験ゲーム
朝目覚めたらすぐ、
夜見た夢を思い出してみてください。
何度も、なぞるように。
だんだん記憶が薄れていくのを感じてくるはずです。
そして完全に目が覚め、起きて朝の支度をするころ、
また同じように夢を思い出そうとしてみてください。
おそらく、最初に思い出した時と比べ、
ほとんど思い出せないと思います。
「何か、楽しい夢をみたような…」
くらいにしか思い出せないでしょう。
そして怖い夢を見た後は、
心臓バックバクで飛び起きたうえ、しばらくその夢の内容は頭に残っているはずです。
その感覚こそ、認知症における記憶障害の擬似体験になるのではと思います。
認知症になったことがないので断言はできませんが、
認知症対応における
気遣い
気配り
配慮
などのヒントにつながるのではと思います。
どうアプローチすれば自尊心を傷つけないか。
どうアプローチすれば誘導に応じてくれるか。
ここを調べつつ、あーでもないこーでもないと議論を深めるのも刺激になって良いと思います。